福岡市博多区東光寺町にあるひときわ目立つビル「ROYAL GARDEN PALACE」。ここに本社を置き、建築構造設計を手がけているのが日本福祉設計(株)である。同所には、関連企業である不動産建築業の(株)ライフデザインジャパンも事務所を構える。日本福祉設計(株)は、福岡を中心に事業を展開し着実に業績を伸ばしているが、2009年にベトナムに進出した。海外進出を決断した理由やこれからについて、同社代表取締役の長谷川一典氏に聞いた。
――海外進出を決めた理由を教えてください。
長谷川一典氏(以下、長谷川) 一言で言えば、日本の人口が減っているからです。結局、建物というものは、人口が増えないと、それ以上は必要ありません。現存の建物を改築していけば、それで十分まかなえます。将来的には、新築物件がそれほど要らなくなります。つまり、建築の仕事は、人の増えるところに行かないと需要が見込めません。今、日本は少し景気が回復しつつありますから、仕事が増えているように思いますが、これも時間の問題だと感じています。それで人口増加を続ける東南アジアに注目し、ベトナム進出を決定しました。
――東南アジアのなかでも、ベトナムを選んだ理由はなんですか。
長谷川 事務所を開く前にベトナムだけでなく、マレーシア、タイ、シンガポールも見て回りましたが、最も勢いを感じたのがベトナムでした。
まず、人口の増加率が非常に高いことがあります。現在、ベトナムの人口は約9,147万人で、毎年平均100万人ずつ増加しています。また、当時の建築に関する法規制が他国より少なかったことが決定要因でした。ほかの国に関しては、建築の許可申請の認可が厳しく、工事を着工するまでに長期間を要すると感じました。
さらに、ベトナム人が日本人に対して友好的であることも理由の1つです。まじめで仕事に対するプライドも高いので、一緒に仕事をしても違和感がありません。
――今のベトナム経済について、教えてください。
長谷川 状態は良いですが、ピークは過ぎたと感じています。バブルがはじけて、調整期に入っています。4、5年前の勢いはないのですが、また来年以降、盛り返してくると思います。金利を比べてみても、ピーク時が約20%で、今が10%を下回るぐらいになっています。進出した09年当時と今を比べると、町並みはがらりと変わり、高層ビルが目立つようになりました。建設ラッシュが起きましたが、多くが外国からの投資です。韓国・シンガポール、マレーシアが中心です。日本企業はもともと多かったのですが、工場が大幅に増えましたね。それにともない、日本人の駐在員も増えています。
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<COMPANY INFORMATION>
日本福祉設計(株)
所在地:福岡市博多区東光寺町1-10-15 ROYAL GARDEN PALACE 2F
設 立:2000年4月
資本金:1,000万円
TEL:092-433-8133
FAX:092-433-8144
URL:http://lifedesignjapan.com/index.html
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