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メタンハイドレートの理想と現実(1)
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2013年7月 1日 07:00

 新エネルギーとして、政府が開発に力を入れる燃える氷・メタンハイドレート。今年3月、愛知県~三重県沖で未踏の海洋産出試験を実施し、ガスの生産に成功したが、商業化に向けて乗り越えるべき課題は、まだまだ多い。実用化に向けて、どのようなステップを踏まなければならないのか。
 資源欠乏国と言われる日本のエネルギー自給率は、約4.8%と低い。国産エネルギーとして期待感が高まるメタンハイドレート。日本の資源窮乏を救うほどのインパクトがあるのか。欲を言えばメタンハイドレートの資源開発により海洋資源国への第一歩を踏み出せれば理想的だが、商業生産のベースに乗せるまでの道のりはまだまだ険しい。メタンハイドレート開発の現状はどうか。実用化は、果たして現実的か?開発に携わる石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)を取材した。

<資源に乏しい日本が期待を寄せる新資源>
0701_JOGMEC_1.jpg メタンハイドレートとは、メタン分子の周囲を水分子が囲み、低温高圧の環境下で固体化したもの。人工のメタンハイドレートの結晶は、白く冷たく、氷のようで火を付けると燃えて水だけが残るため、「燃える氷」とも呼ばれる。

 日本近海の海底面下、数100メートルに眠っていると言われている。この固体化したメタンハイドレートをガス化して天然ガスとして生産する。日本では、90年代に基礎研究が始まり、2001年、経産省がメタンハイドレート開発計画を立ち上げた。JOGMECなどを中心とした産学官共同の「メタンハイドレート資源開発コンソーシアム」が組織され、本格的に探査、資源化に向けた取り組みがスタートした。

 深海底下の砂層間に存在する「砂質層孔隙充填型」のメタンハイドレートが資源化できる可能性が高いと見て、これをガス化して取り出す生産手法の研究が進んでいる。

(つづく)
【岩下 昌弘】

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