WBCを契機とした野球人気再加熱のもと、集客、注目度など上々の滑り出しを見せた台湾プロ野球リーグ(中華職業棒球例行賽)、今年の前期リーグは統一ライオンズとの激戦の末、義大ライノスが制した。台湾のプロ野球リーグは、日本と違い、前期、後期に分かれる。前期優勝チームと後期優勝チームが異なる場合、後期リーグ終了後に台湾シリーズ(総冠軍賽)を行ない、年間覇者を決める。
今年の前期リーグは3月23日に開幕。新規参入の義大ライノスは、米メジャーリーグで実績を持つマニー・ラミレス選手や、LAドジャースでのプレー経験もある胡金龍選手を獲得するなど大型補強を展開。歴史と実績を誇る統一ライオンズとのマッチレースになった。
統一ライオンズは、前半に主力打者である潘武雄選手が故障のため、離脱。苦しい戦いを強いられたが、日本人指揮官・中島輝士監督の指揮のもと、陳鏞基選手や、張泰山選手、高志綱選手らの好打者がカバーし、首位争いを牽引。一方、義大ライノス(徐生明監督)は補強組のラミレス選手や胡金龍選手の活躍、旧チームの興農時代からの主軸、林益全選手や高國輝選手らが打撃陣を引っ張った。なかでも中軸を打つ林益全選手は4割近いアベレージを残した。
投手陣では、義大ライノスの林晨樺投手、希克投手が両輪で先発部門を支える一方で、外国人抑えの柴克投手がロングリリーフもこなすタフな投球で投手陣を引っ張った。統一ライオンズは、王鏡銘投手、高建三投手、林岳平投手らが安定感のある投球を見せたが、総合力で、義大ライノスが統一ライオンズを上回り、前期優勝を果たした。
後期リーグは7月5日に開幕、10月上旬頃まで争い、後期の優勝チーム(義大以外のチームの場合)は、その後開かれる台湾チャンピオンシリーズで義大ライノスと対戦。先に4勝したチームが前後期通じた覇者となり、台中で開かれるアジアシリーズに進出する。
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