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【流通】家電量販店から食品スーパーへ、変貌するDSの雄MrMax(2)
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2013年7月 5日 12:44

 現在、(株)MrMaxは生鮮4品(精肉、鮮魚、青果、惣菜)の積極導入を行なっている。地場ディスカウントストア(以下、DS)のライバル企業であるトライアルカンパニーのほか、ダイレックスは早々に生鮮4品を導入し、売上を伸ばしてきた。同社は2009年11月にオープンした岡山市の岡山西店が生鮮4品導入1号店と歴史は浅い。従来、自社が展開するショッピングセンター内にテナントとして食品スーパーを出店させていたことが、生鮮導入が遅れた要因だった。同社のショッピングセンターに足を運べば、生鮮4品は一旦、店外に出て食品スーパーに行かなければならないというのが消費者にとっては不便であり、これを解消したのがSuC業態である。

<生鮮導入の飯塚店では売上30%増>
 「昨年12月に生鮮食品を導入した既存店の飯塚花瀬店(福岡県飯塚市)では前期比で来店客数が60%アップ、売上高30%増で推移している」(MrMax広報担当)。集客力アップは数字で表れている。食品は来店・購買頻度が高く、商圏内の購買占拠率を高めることができるとしており、今後、売場の広い既存店では改装を行ない、新店にも積極的に導入する方針だ。今年4月には宮崎県日向市の日向店、5月に福岡県粕屋町の粕屋店の既存店を改装し、生鮮4品を導入した。小倉北店を含めた52店舗のうち生鮮を導入しているSuCは10店舗。2013年3月期は薄型テレビの販売不振が長引いたことなどが影響し、同社の売上高、家電部門の売上高も減収となったが、下記の資料でもわかるよう、ここ5期で食品部門が約120億円近く伸びているのに対して、家電部門は70億円近く売上を落としている。この数字により、かつての家電DSの面影はなくなりつつある。

部門別売上高・抜粋 従来のDSは飲料、酒、加工食品、菓子、生活雑貨、生活家電などを取り扱う店舗が多かった。生鮮は専門的な知識のほか経験も必要になるため、簡単には導入できない。とくに青果、鮮魚に関しては早朝から市場に買い付けに行かないといけないため、サラリーマン社員では対応が難しい。そのため同社を含めたDSの多くがテナント企業に委託する形で生鮮食品を導入。ひと昔であるならば「DSで生鮮を買うのに抵抗があった」という人たちも多かったかもしれないが、経験豊富で力のあるテナントに支えられることで、「思ったほど悪くない」といった印象を受け、ネガティブなイメージを改めた人も多いようだ。生鮮を取り扱うDSが小売業のあり方を変えているといっても過言ではないのかもしれない。

(つづく)
【矢野 寛之】

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