<資源国となれるのか!?>
まだスタートラインにあるとはいえ、次世代の国産エネルギー資源として注目が集まるメタンハイドレート。日本は資源国となれるのか。「資源国の定義が難しいところではありますが、海外に輸出できるほどかというと、答えは、ノーでしょうね。輸入量を減らすための貢献はできるとは思う」と、石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)石油開発技術本部技術部メタンハイドレート開発課の磯部人志氏は語る。
どのような生産手法で採掘をすれば、採算が取れるのか。海底にあるメタンハイドレートをメタンガスとして取り出すには、多額の費用がかかる。利益が出ないのであれば、民間企業は、この資源の開発に乗り出せない。
JOGMECなどが、今回得られたデータをもとに、2018年までに商業生産に向けた技術基盤を確立し、「こういう方法で開発すれば、これぐらいのコストがかかり、これぐらいのエネルギーが取り出せる」(磯部氏)という民間企業が開発に乗り出すための目安を作るべく、実地での調査・研究作業を続けていく。
<海洋資源の開拓者>
2010年に準備を始め、今年3月に実施された第1回の海洋産出試験では、ガスが出始めてから6日間、生産を行なった。6日間では、商業生産にならない。「いかにしたら、長期的に継続して生産が行なえるか。商業生産のために、"長期間"生産するには、どうしたらいいか。我々は、もっと知らなくてはいけないことが多い」と、中塚氏は語る。
「スタートラインに立ったにすぎないというのが、我々の認識。経済性がどうだとか、そういったことは正直まだわからない。商業生産の基礎となる技術的な基盤を固めていこうと言っている。商業生産するために、どれぐらいの費用がかかり、どれぐらい資源を回収できるか、そこまでの道のりを示すのが、我々の仕事」と、現実的ではあるが、着実に一歩を踏み出している。
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