<海洋資源のパイオニア>
メタンハイドレートの地層は軟弱な地層にあることが多く、浅い半面、地盤が軟らかいため、井戸を保持するのが容易ではない。井戸を掘って、どのように長期間、保持するのか。トラブルが起こった場合、どのように対応すればいいのか。
陸上での石油・天然ガス開発の場合、前例に沿って開発すれば効率よく生産できるが、海洋でのメタンハイドレート産出には前例がない。日本がパイオニアとなり、その前例を作っていくしかない。
<18年までに技術基盤を確立>
フェーズ2では、2度の海洋産出試験を通して、技術課題の抽出を行なう。15年に、海洋産出試験の最終評価を行ない、18年までに実施するフェーズ3の最終評価において、コスト計算と経済的な指標を示す予定だ。「技術基盤を確立する」ことを目標に、地道なデータ解析や課題の抽出が行なわれている。
かつて、紀元前に西安からローマへと続いたシルクロードは、それまで誰も歩いたことなかった険しい道を前漢の西域開拓者・張騫らが辛苦に耐え、切り開いた道である。道沿いにオアシスの街ができ、その中継点にある都市は交易で栄えた。日本が今、切り開こうとしているのは『資源の道』である。海洋資源をエネルギーとして使うため、踏査・研究・データ解析・海洋での試験生産を続けている。
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