<猛暑の東京駆け回る>
公示後、初の日曜となった7日の東京。参院選東京選挙区から無所属で出馬している山本太郎氏が、新宿駅前で街頭演説を行なった。この日の東京は猛暑。炎天下のなか、汗だくになりながら新宿東口の商店街、歩行者天国をボランティアスタッフとともに練り歩いた。3.11以降、山本氏は一貫して脱原発を訴え、脱被ばく、東京都の放射能汚染状況の詳細なデータの調査、開示などを訴えている。演説では、「若い人たちは、政治をあきらめないでください。国会には、行動力のある、空気を読まないバカが必要なんです。王様は裸だと僕に言わせてください」と、力強く聴衆に語りかけた。
今回の選挙では、脱原発の点で一致する生活の党が支援についた。7日の新宿では、生活の党から比例代表に立候補している三宅雪子氏とともに新宿駅前を歩いた。三宅氏は、「山本さんは、子どもたちのことを考える無私の人。こういう人がいま、政治の場に必要なんです」と訴えた。
<ボランティアスタッフが活躍>
インターネットによる選挙運動が解禁となった今回の参院選。山本陣営には、大手サイトなどに広告を打っている大政党とは違い、ボランティアスタッフが集い、ツイッター、フェイスブックなどで応援運動を行なっている。この日も、山本氏は、新宿に来ていた若者らと積極的に握手を交わし、写真を撮り、「(ツイッターなどで)どんどん拡散してください」と、呼びかけた。
東京選挙区は、公明党・山口那津男代表、自民党の丸川珠代氏らが出馬している激戦区。20人の候補者が5議席を争う。山本氏は、維新の会から立候補しているアナウンサーの小倉淳氏、みんなの党の桐島ローランド氏らと最後の議席を争うと予想されている。
東京8区から立候補した昨年末の衆院選では、東京最強と言われる自民党の石原伸晃氏を相手に7万1,028票を獲得。衆院選時には、山本氏の街頭演説を聞き、共感を覚えた有権者らのなかでも、杉並区(東京8区)には住んでおらず、東京8区の選挙権を持っていないという人も少なくなかったが、今回は、東京都の有権者であれば投票できる。
政党に属さず、ボランティアスタッフによるビラくばりやツイッターでのつぶやきなどで支援の輪を広げていく山本陣営にとって、杉並区から東京都全域に戦いの場が広がるのは1つのポイントになる。無党派の若者たちや主婦層をうまく取り込むことができるかどうか。脱原発を訴え、ブレずに戦う男に、風は吹くのか――。
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