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2013参院選

『アベノリスク』への対処方法~植草一秀氏
2013参院選
2013年7月 9日 07:00

 NET-IBでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は、参院選を前に「アベノリスク」への対処方法について言及した、7月7日付の記事を紹介する。


 7月21日投開票の第23回参議院議員通常選挙について、自公圧勝の報道が垂れ流されている。その目的は、反自公勢力の有権者を投票所から遠ざけることにあると思われる。都議会選挙と同じ図式が狙われている。反自公勢力の有権者が投票所に足を運ばないと、組織選挙を展開する自民党と公明党が有利になる。また、同じ組織選挙の色彩が濃い共産党も有利になる。

 反・自公の有権者で共産党には投票したくない有権者は、選挙区に「該当者なし」の状況に直面するが、消去法で「共産党」と「みんなの党」に投票するかも知れない。その結果、「みんなの党」も有利な影響を受ける。

 しかし、繰り返し指摘するように、今回の参院選は、今後の日本の命運を定める選挙であると言っても過言でない。最大の留意点は、2016年夏まで、国政選挙が丸3年実施されない可能性があることだ。

 昨年12月の総選挙は違憲選挙だが、政治権力に支配されている日本の最高裁判所が総選挙全体のやり直しを命じる可能性はゼロである。したがって、首相が衆議院を解散しない限り、2016年夏まで国政選挙が行われない可能性が高いのである。
 この「空白の3年」に、日本の根幹がすべて固められてしまう可能性が高いのだ。その根幹とは、原発であり、憲法であり、TPPであり、消費税であり、沖縄である。

 メディアは「アベノミクス」の表層だけを捉えて、これを絶賛し続けているが、アベノミクスがもたらすものは、「インフレ」と「消費税大増税不況」と「超格差社会」の三点セットである。入り口では、円安・株高が生じて、みんないかれてしまっているが、いかれているうちに、地獄に連れてゆかれてしまう。

 第一のラッパが吹き鳴らされると、日銀の資産を大幅に劣化させてまで誘導される激しいインフレが、政府と企業だけを救い、国民は大いに苦しめられた。
 第二のラッパが吹き鳴らされると、大増税が始まり、アベノミクスへの期待効果によって生まれたわずかな株高などは簡単に吹き飛ばされた。
 第三のラッパが吹き鳴らされると、TPP加盟によって美しい国土は荒れ地と化し、米国市場原理主義の猛威が日本社会を荒廃させた。
 第四のラッパが吹き鳴らされると、活断層の上の原発がいつのまにか続々と再稼働し始め、人々は原発事故の悪夢に怯える日々を過ごした。
 第五のラッパが吹き鳴らされると、血税を食い荒らすシロアリ官僚がますます増殖し、再び増額された巨大公共事業・役人利権予算に群がった。
 第六のラッパが吹き鳴らされると、権力の横暴を防ぎ止める役割を担っていたはずの憲法が、国家権力によって次々と都合よく改悪され、国民主権や基本的人権がないがしろにされた。
 第七のラッパが吹き鳴らされると、憲法改悪によって戦争への道が切り開かれ、集団的自衛権の名のもとに日本が報復攻撃の対象とされ、・・・・・・・

 「新約聖書」末尾に「ヨハネの黙示録」が収録されており、「地獄の黙示録」の様相を示すが、安倍政権が参院選で大勝を収めたあとに日本を襲うのが、「現代版・地獄の黙示録」である。
 つまり、参院選最大の争点は、『アベノリスク』なのである。

 「アベノミクス」のメッキの下に隠された『アベノリスク』に対する審判を下すのが参院選最大の焦点なのである。『アベノリスク』は、すでに、着々と蠢き始めている。参院選が終了すると同時に、『アベノリスク』は確実に日本を襲う。それは、日本を融解(メルトダウン)させるものである。

 福岡から独自の視点でニュース報道を展開するデータ・マックス社に、『アベノミクスの破綻(1)(2)(3)(4)』を寄稿したので、ご高覧賜りたい。

 米国経済の改善により安倍政権は思わぬ恩恵を受けているが、インフレ誘導と消費税大増税と新自由主義経済政策は、絶対に主権者の幸福をもたらさない。このなかで、原発・憲法・TPP・消費税大増税・辺野古移設・シロアリ増殖の恐怖が日本を覆う。
 「ほんとは怖いアベノリスク」をすべての主権者が参院選前に理解しなければならない。

 そして、参院選に際しては、絶対に守らねばならないことが二つある。
 ひとつは、必ず選挙に行くこと。
 もうひとつは、絶対に民主党には投票しないこと。
 もうひとつ付け加えるとすれば、みんなにも投票しないことだ。

 これは、あくまでも、原発再稼働・憲法96条改悪、TPP参加、消費税大増税・辺野古基地建設に反対する主権者がとるべき行動を示したものだ。
 必ず選挙に行き、自公民みん維新には絶対に投票しないこと。日本を地獄に突き落とさぬには、これを絶対に守ることが必要だ。

※続きは、メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』(有料)」第608号「主権者のための政治実現に政党の側が負う責任」にて。


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