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中洲バトルロワイヤル

未来は夢から生まれる、大志会・源音吉氏(1)~特別編「西中洲で夢を掴んだ男」
中洲バトルロワイヤル
2013年7月 9日 10:56

minamoto1.jpg 今年創立50周年を迎えた福岡県中小企業家同友会。その記念すべき周年記念行事を前に、壇上で表彰を受ける1人の男の姿があった。実質3カ月間で15社の勧誘実績を作り、年間最高記録を作った源音吉(みなもと おときち)氏だ。源氏は、創立30周年で12社、40周年でも14社と、最高記録を更新し続け、「人脈作りの名人」と評された。そして13年前からは、志ある若者たちを育てるため、人脈交流会「大志会」を主宰している。西中洲のクラブのほか、飲食店数軒を経営する傍ら、同友会やライオンズクラブでも活動した「西中洲で夢を掴んだ男」の人物像に迫った。

<裸一貫、博多へ>
 「駅は立派でしたが、その周りは、はす沼と田んぼばかりでしてね。『たいへんな田舎に来てしまった』と、不安に思いましたよ。だけど、女性はお美しい方ばかりでしたから、頑張ろう!とやる気が出ました(笑)」。昭和39年6月1日、見ず知らずの地であった博多へ降り立った源氏は、神戸・三宮でのバーテンダーの経験を活かし、カクテルバーに勤めた。その後すぐに、他の飲食店からヘッドハンティングされ、後に結ばれる妻とともに、自分の店を持つという夢に向かって一心不乱に働いたという。

 昭和41年11月23日、記念すべき1号店「ペペルモコ」が中央区のけやき通りにオープンした。客が客を呼び、2年後の昭和43年5月10日には2号店の和風スナック「大登吉(おときち)」が西鉄グランドホテル近くにオープン。さらに昭和50年3月10日、西中洲にスナック「おときち」をオープンさせた。昭和55年5月30日には、友人の経営者が手放した店の経営にも着手。そして昭和60年5月30日、「メンバーズクラブ カサブランカ」がオープン。経営手腕を発揮し、次々と店舗を増やした源氏。『西中洲で成功した経営者』として、知る人ぞ知る存在となった。

 水商売で成功する秘訣を尋ねた――。

 「とにかくお客さんをほめること。私はね、カラスが白いと言われても、『はい、そうですね』と言える人になりなさいと教えていました」と源氏。採用においては、とくに母子家庭の母親を優先して雇うようにしていた。「子どもの将来に自分の人生をかける一所懸命な心構え」が、接客サービスに現れるという。当時のホステスからは、「マスターのおかげで、年子のふたりの子を大学に行かせることができました」という感謝の言葉が寄せられている。

 源氏は、「お客さんには、良心的な料金で何度でも来ていただく」ことを心がけたという。文字にすれば簡単なことのように思えるが、実際の商売では、なかなか思うようにはいかない。日々にうろたえず、自分のビジネス哲学を信じ貫き、いつも安定したサービスを提供する。そんな源氏のもとにはお客だけでない。従業員も居場所を見つけて集まってきた。

(つづく)
【長丘 萬月】

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<フェイスブックページ>
人脈交流会「大志会」のお知らせ(https://www.facebook.com/minamotootokichi)

長丘 萬月 (ながおか まんげつ)
福岡県生まれ。雑誌編集業を経て2009年フリーに転身。危険をいとわず、体を張った取材で蓄積したデータをもとに、「歓楽街の安全・安心な歩き方」をサポートしてきた男の遊びコンサルタント。これまで国内・海外問わず、年間400人以上、10年間で4,000人の歓楽街関係者を『取材』。現在は、ホーム・タウンである中洲(福岡市博多区)にほぼ毎日出没している。

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