常に経済情勢が変化する現在、どのような業界においても時代を一歩リードする事業形成が重要になってくる。多くの中小企業が、他社との差別化を図ることを命題としているなか、"潜在顧客へのアピール"や"人の生活を第一に考える"ことを優先して事業を拡大してきた(株)サンコービルド。その成功の過程とともに、新たに着手した太陽光発電事業について紹介する。
<介護・福祉事業に注力>
サンコーケアライフは、サンコービルドの福祉事業部が分社化されて03年10月に設立され、02年11月に開設された「グループホームえださか」(2ユニット18床)の運営からスタートした。04年11月には、『グループホームけやき』を開設。その後も自社での新設、同業他社の子会社化や施設買収などにより事業所数を増やし、現在は14の事業所(10拠点)で施設を運営している。
こうした拡大路線にともない、建築工事受注の約半分を医療・介護施設関係が占めるようになってきている。介護・福祉事業を手がける企業からも定評があるには、理由がある。他社ではどうしても"建築ありき"の介護・福祉事業になってしまいがちだが、サンコービルドの場合はサンコーケアライフを背景とした、"人の生活ありき"の事業を展開している。
介護という業界は、良くも悪くも人と密接な関係のもとで成り立つものである。ゆえに顧客と真摯に向き合うことが重要で、責任も常に隣り合わせだ。そのことを自覚しないまま参入してくる地場ゼネコンは、途中で断念してしまう――、というケースも少なくない。これは介護・福祉事業の特殊性や予想以上の労力と手間に耐えきれなかったからだろう。しかしサンコービルドでは、事業に関わるすべての人間が介護への理解も深いことから、現在の好業績を残す結果となった。そこに"安心感"が生まれるのだ。
園村剛二社長は「病院や福祉関連施設は躯体としてはほかの建物と変わるところはないのですが、使い勝手を左右する機能部品や間取りなどの内部構造は、経験がなくてはなかなかうまくいかないものです」と語る。
障がい者や高齢者の介護施設は、利用者の生活の場でもある。職員のスムーズな仕事と入居者の生活の質の向上を両立させるためには、さらに多くの目配りが必要となる。たとえば、車いすのための動線確保や特殊な部屋のレイアウトなど、通常にはない視点が必要とされる。そういった細かい配慮は長年の蓄積によって生まれるものだ。介護・福祉事業を手がける企業にとっては、特有の建築に関する話も理解してもらえるという"安心感"があり、それが他社にはない同社の強みとなっている。
<COMPANY INFORMATION>
サンコービルド(株)
代 表:園村 剛二
所在地:福岡市博多区博多駅前1-31-17
設 立:1972年8月
TEL:092-414-6610
URL:http://www.sanko-bld.co.jp/
※記事へのご意見はこちら