福岡で創業後、大阪・名古屋・東京へ事業展開を図った投資用アパート販売を手がける（株）インベスターズ。同社は、インターネットを活用した圧倒的な販売力と、在庫を持たない徹底したキャッシュフロー経営が功を奏し、第７期決算（2012年12月期）において売上高100億円を突破した。現在は、次なる柱として戸建住宅販売を拡大中。今後の市況次第では、企業買収や株式公開も視野にあるようだ。

　会社員や公務員などを中心に、年金対策としてミドルリスク・ミドルリターンの賃貸アパート経営に投資する人が増えている。その需要をきっちりと取り込み、順調に売上を伸ばしているのが、デザイン性の高い投資用マンション販売を手がける（株）インベスターズだ。
　同社の2012年12月期は売上高101億5,441万円を達成し、設立７期目にして目標としていた100億円を突破した。これは、前期比２倍以上の伸びとなる大躍進だ。同社の古木大咲社長は、「不動産業界において、設立７期目での売上高100億円への到達が早いかというと、そうでもないと思います。ただ、過剰在庫を抱えずに100億円を達成できたことは意味があるのではないでしょうか」と口ぶりは軽い。

　同社は、投資用木造アパートの建築・販売を行なう新築アパート事業とその賃貸管理事業から始まり、基盤を確立していくなかで、近年は中古アパートを改築して販売するアセットマネジメント事業や戸建住宅販売、賃貸仲介業にまで業務を拡大。新築アパート事業を軸に、同社の12年の建築着工数は前年比でほぼ倍増し、土地を用意してアパートを建築する自社施工数においては全国１位となった。
　「現在はアベノミクス効果で業界環境は良好ですが、今のうちに主力である投資販売のほかに、戸建住宅といった実需での収益基盤を拡大しておきたいです。そのためにはデザイン性のほか、省エネ機能などの付加価値を高めることを考えています」と、古木社長は慎重な姿勢を崩さない。

　極めて高い資本回転率は、同社の強みである。デザイン性の高さと入居率の高さが投資用アパートの販売力につながっており、今期はすでに売上高160億円超を見据えている。
　　「できれば今後10年で、売上高1,000億円規模の事業会社を目指したいです。そのため、今は何よりも自己資本比率にこだわり、決算書においてまずは自己資本比率50％を実現したいです」と古木社長。今後の状況次第では、在庫を抱える不動産会社の企業買収も視野にあるようだ。

　そうした企業買収、さらには株式公開をも見据えている同社は、創業以来、継続して業務管理の自社システムの開発に取り組んできた。その目的は、経営を見えやすくし、スピード化および効率化を図るためだ。「すべての業務プロセスを一元管理することができるこのシステムがあればこそ、企業買収や業務監査などの選択肢が生まれてくるのです」との古木社長の言葉からは、一歩先を見据えた経営姿勢がうかがえる。
　設立７期目で売上高100億円を突破した同社の、次なる飛躍に注目したい。

＜COMPANY INFORMATION>
（株）インベスターズ
代　表：古木　大咲
所在地：福岡市博多区祇園町7-20　博多祇園センタープレイス７F
設　立：2006年１月
資本金：2,200万円
ＴＥＬ：0120-008-764
ＵＲＬ：http://www.e-inv.jp/

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