福住の頭ひとつ抜きん出た情報収集力は、中央保育園(福岡市中央区今泉)の移転予定地の売却で証明された。短期間で土地を仕込み、売却へつなげた。あっぱれとしか言いようがない。同業者の間でも福住の情報収集力は評価が高く、「福住さんに相談したらなんとかなる」といった絶大な信用を得ているという。ある同業者は久留米市の駐車場に関して相談したら、あっという間に解決し、物事が進んだという。そのほかにもこの手の相談の解決は枚挙に暇がないようだ。
ただし、福住に恩義を感じている業者にとって、同社が福岡市に入り込んで優位な営業活動を行なうことに異論はないだろうが、あまり関係のない同業者には筋が通らないはずである。市内の不動産関連業者は、「狭い業界ですから、福住さんが今泉1丁目の土地を買ったことはすぐ耳に入りました。短期間で、福岡市に売却したことはさすがとしか言いようがないですね。となると、そのほかに福住さんがもつ市内の土地も、また福岡市に売って儲かるのではないでしょうか。いいですね」と、うらやまし気に語る。
福住の創業者の河野貞雄氏は創価学会で活躍されており、2代目社長の孝雄氏とともに催し事には精力的に参加されているという。また、次男の義博氏は公明党選出で今回の参院選に立候補している。幅広い分野の人脈を活用していることは周知の事実だ。博多港開発の元社長・酒井氏は、福住の創価学会人脈を活用した営業活動について「それはあるかもしれません。だからといっていけないことではないはずです」と、肯定的に見ている。
酒井氏は週4日、元気に出勤しているそうだ。博多港開発時代に思い描いていた以上に社長はじめ社員たちも勤勉であるという。今回の件で福住が優秀なのは良くわかった。そして、行政に関しての取り組み方も良くわかった。酒井氏が舌を巻くような情報収集力も・・・。しかし、これが民間同士の取引ならなんら問題はないが、福岡市など行政に対する極端な営業活動は、癒着を疑われる原因となり得る。
「長年のお付き合いで顧問にさせてもらっている」と、福岡市との強いパイプを期待されて活動する酒井氏は語る。『けやき庭石事件』という苦い経験をしたからこそ社会に貢献することを「よし」としているのだろう。今回、中央保育園の移転予定地について話を聞いたが、わかったのは過去の行政マンの存在さえ霞んでしまうような、福住の情報収集力の高さであった。
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