昨年、台湾プロ野球リーグ・統一ライオンズで16勝を挙げ、最多勝のタイトルを獲得した日本人鎌田祐哉元投手の引退式が、7月14日台南市の台南棒球場で開催された。在籍した球団・統一ライオンズが鎌田投手の功績をたたえて行なうものだ。
鎌田投手は2000年ドラフト2位でヤクルトに入団。2003年に6勝をマークするも、2010年に楽天に移籍。2011年末に自由契約になった後、昨年、台湾・統一ライオンズでプレー。統一でバッテリーを組んだ高志綱捕手は「コントロールがいい投手。繊細なボールの出し入れができる」と評価した。
台湾での鎌田投手は、切れ味鋭いスライダーと絶妙なコントロールを武器に、開幕11連勝をマークするなど、最高の滑り出しを見せ、オールスターゲームでは日本人選手として初めてファン投票で選出され、空前の「鎌田ブーム」を巻き起こした。しかし、後半戦、急激に失速。身上であるコントロールは影を潜め、逆球を痛打されるシーンが増えた。
前期リーグは鎌田投手の活躍が牽引力となり統一が制したが、後期リーグは逆に鎌田投手の不調が響き、Lamigoに優勝をさらわれた。前期覇者と後期覇者が争う『台湾シリーズ』でも鎌田投手はノックアウトされ、Lamigoが台湾リーグ覇者となった。
ただ、前半の大きな貯金からシーズンで16勝をマークし最多勝を獲得。ベストナイン、ゴールデングラブ賞にも輝いた鎌田投手だったが、後半の不調が響き、今年の契約更新には至らなかった。鎌田投手は引退、現在、日本で新たな生活をスタートさせている。
台湾プロ野球はすでに後期リーグがスタートしているが、良好な日台関係の風を受け、今回、統一球団が粋なイベントを開催する運びとなった。「さらなる親密な関係性への誓いも込めて」と鎌田投手の功績をたたえ、引退式を開催することになったのだ。台湾で外国人選手の引退式が開催されるのは極めて異例とのこと。鎌田投手のヤクルト、楽天時代のユニフォームも展示され、本人によるサイン会も開催。鎌田投手のグッズも販売される。
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