21日の投開票に向けて、連日の猛暑のなか選挙戦が展開されている参院選。比例代表選で48議席を争う162人の立候補者たちにとって大きな壁は、衆院選と異なる比例代表選の投票方法である。各陣営、街頭演説や配布ビラ、インターネットなどで投票方法を熱心に説明している。
<参院選の比例は、政党名または候補者名>
政治への関心の有無を問わず、意外と知られていない感がある参院選・比例代表選の投票方法。政党名のみを記入する衆院選の比例代表選と異なり、参院選の比例では、「政党名または候補者名」を記入。参院選では候補者名で書かれた票も、その候補者が所属する政党の票に数えられる。たとえば、「ネットアイビー党・○山×太候補」の場合、「ネットアイビー党」と書かれた票だけでなく、「○山×太」と書かれた票も「ネットアイビー党」の票に数えられる。
議席は政党が獲得した票数に応じて割り振られる。比例代表候補の名簿順位が決まっていない「非拘束名簿方式」の参院選の場合、候補者の獲得票、すなわち、各候補者の名前が書かれた票の数によって順位が決まる。要するに、自分の名前を書かれた票数が多い候補者から当選が決まっていく。この方式は2001年の参院選から採用され今回で5回目。しかし、その間、政党名のみを記入する衆院選の比例代表選が4回行なわれている。同じ国政選挙でもやり方が異なることが、有権者の認知度が上がらない要因とも考えられる。
比例代表選に立候補した、日本維新の会・岩本壮一郎氏(32)は、投票方法の説明が半ページを占めるビラを有権者に渡し、口頭でも説明を行なっている。公示から1週間が経ち、有権者の反応について尋ねてみると、「投票方法の認知度は5%くらいではないでしょうか」と、厳しい表情で語った。支援者からも「名簿の順位は何番目ですか?」とよく聞かれるという。
九州有数の大票田である福岡市には連日、票を求めて各党の比例代表候補がやって来る。9日は、同党のアントニオ猪木氏(70)が到来。同じ政党の仲間なのだが、選挙においては議席を奪い合うライバル関係。猪木氏とともに壇上に上がった福岡選挙区の候補者は「比例は猪木さんで!」と呼びかけた。
炎天下のなか、岩本氏は比例代表選の説明を有権者1人1人に丁寧に行なっている。
▼関連リンク
・総務省ホームページ(投票方法の説明有り)
※記事へのご意見はこちら