福岡博多ライオンズクラブ会員L.加藤龍雄氏が、「平成25年春の褒章受章者」のひとりとして、黄綬褒章を受章した。同クラブでは、加藤氏の栄誉を祝し、７月９日、有志による「L.加藤龍雄　黄綬褒章受章記念祝賀会」を、「ANAクラウンプラザホテル福岡」で開催した。

　今年、国交省関連で受章したのは50名、６団体。加藤氏は、都道府県協会推薦で、公益社団法人福岡県宅建協会（以下、宅建協会）副会長として、黄綬褒章を受章した。
　加藤龍雄氏は、今年61歳。副会長として宅建協会に長年携わってきたほか、現在は公益社団法人全国宅地建物取引業保証協会福岡本部の専務理事も務める。本業は、舞松原不動産（株）の代表取締役として、福岡市東区舞松原を中心に38年間、地域に密着した不動産業務を行なっている。
　受章について、非常に名誉なこととしながら、「宅建協会の副会長として、常にどうすれば会員様や一般消費者の方々が豊かに暮らせるかを考え続けてきました。今年、福岡市は150万人の都市となりましたが、公益法人として、さらに磨きを掛けていかねばと考えています」と、気を引き締める。

　加藤氏は、2010年６月、（株）データ・マックスのIB編集部が主催した福岡都市圏の発展をテーマとした対談に、建設・不動産業界団体の代表のひとりとして出席。150万人以上の福岡市となることを期待する旨の意見を述べた。しかし、それは福岡市だけを見てのことではない。「粕屋および筑紫圏域（春日市、大野城市、太宰府市、筑紫野市）も巻き込んで、より広い範囲で街を活性化させ、ぜひ300万人都市になってほしい」と、している。
　さらに、当時から福岡の活性化の鍵を握るといわれていた、九州大学移転跡地の利用、とくに箱崎地区再開発の行く末について、コメントを述べている。当時は、六本松の九大跡地計画が先に進んでおり、都市全体を見渡しながらの事業計画が必須であることを促していた。未来の福岡都市圏が、各地域ともに手を繋ぎあい、より多くの消費者が幸せになるような都市となってほしい、そのために加藤氏は「長きにわたり、また現在も、地元福岡の建設・不動産業界の最前線で、会社経営とともに業界団体の舵取り、そして地域社会に対しての貢献に尽力しています。それらの活動のなかで培ってきた英知と行動力で、（他建設・不動産業界団体の方々とともに）一致団結して福岡市の活性化に寄与してまいります」と語っている。
　このような想いをもとにした誠実で丁寧な仕事ぶりが認められて、今回の受章に至った。
　受章後も「とくに今までと変わりなく業務にあたりたい」と微笑む。「公益法人により一層、磨きをかける」という目標も、日頃からの取り組みの延長線上にあるのだ。

　加藤氏は、８人姉妹弟の末っ子、そして長男として生まれた。家業を継ぐ男子として長く待ち望まれたこともあり、加藤氏は、先祖代々から受け継がれてきた土地をそのまま引き継ぐことになる。「親は、不動産業は止めておけと言っていました。やはり業界の難しさをよく知っていたのでしょう」（加藤氏）。しかし、簡単な仕事ではないと覚悟のうえで、同業界へ。諸先輩方から教わることも多く、支え、支えられながら、気がつけば、40年近く経っていた。祝賀会では、クラブ会員から寄せられる祝賀の挨拶にはにかみながらも、始終笑みを絶やさず応える加藤氏の姿が印象的だった。

◆黄綬褒章について
　日本の褒章の一つ。もともとは、臨時制定のかたちで、沿岸防衛事業に私財を献納する人に授与するとして、1887年（明治20）に、臨時的に制定されたもの。1955年に褒章条例が改正された際、「実業に精励して模範たるべき人」に授与するものとして、正式に制定された。その後、2002年（平成14）８月に、「第一線で業務に精励し、他の模範となるような技術や事績を有している人」へ授与するものとなった。

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