福岡県太宰府市の九州国立博物館で2014年10月に開かれる「台北・故宮博物院展」に先駆けて、地元経済界らで組織された団体「九州経済フォーラム」は8月、フォーラムの会員などを台北市の故宮博物院に案内するツアーを開催する。
台北市・故宮博物院は世界四大博物館の一つで、歴代中国皇帝のコレクションをはじめ、69万点の文化財が収蔵されている。中国最後の王朝・清が倒されたとき、歴代王朝から引き継いだ財宝は中華民国政府が引き継いだ。中華民国政府は1925年、北京の宮殿と財宝を公開したが、日本軍の中国侵略が激化したため、37年に財宝を北京から上海、南京へと移す。さらに日本軍からの攻撃を避け、大陸奥地に分散して保管。国共内戦で国民等政府は敗北、大陸を脱出し、台湾に逃げ込む。その際、南京などにあった財宝類は軍輸送艦などで台湾に運ばれた。
敷地内には、宋明代の名園の特徴を取り入れて作られた庭園・至善園や至徳園、図書文献館などもある。今回のツアーでは、通常の観光では見ることができない故宮の「最深部」を視察することができるという特典付きだ。九州経済フォーラムなどの経済界と学生や一般から計100人が視察団として構成されている。
一行は、8月7日、桃園空港に到着した後、台北市内視察やレセプションを予定。8日には国立歴史博物館と故宮博物院視察が行なわれ、そのなかで、馮明珠院長によるプレゼンテーションや、故宮宝物倉庫・特別見学などのプログラムが組み込まれる。最終日の9日には、企業視察を行なった後、桃園空港から帰福の途につく。
九州経済フォーラムの関係者は「九州国立博物館での本番前に現地を訪れ、故宮を深く知り親しみを膨らませることで、台湾との友好も深まり、本番の展覧会への関心も広まるだろう」と期待を述べている。
※記事へのご意見はこちら