<資金なし、地盤なしの選挙戦>
参院選、東京選挙区で優勢と目される自民、公明の大政党に挑む、無所属の山本太郎候補。ネット選挙を追い風に、議席を争うところまで猛追している。インターネット上での拡散で、1,000人規模のボランティアスタッフが集まり、新宿、池袋、秋葉原など都内各所を駆け回る。
資金なしの山本陣営。フェイスブック、ツイッターなどで呼びかけ、資金のいらないネットを駆使した選挙戦を展開。ネット選挙の解禁は、地盤のない山本陣営にはプラスに働いている。あるスタッフは、「全員、ボランティアスタッフでやっています。ネットの力がなかったらできなかったこと。これまでの選挙では、ネットを駆使してボランティアが集まって選挙活動を行なうという戦い方は、考えられなかったと思う。公示日のポスター張りは、ネットで広めて人数を集めて、ほかの候補者よりも貼り終えるのが早かった」という。大衆の力をかき集めて、数々の選挙を戦ってきた百戦錬磨の大政党、大組織に立ち向かう。
18日、JR神田駅前で行なった選挙活動でも、仕事帰りのサラリーマンとおぼしき、スーツ姿のスタッフらがビラ配りを手伝い、声を上げていた。ツイッターなどソーシャルメディアを使っての拡散も山本陣営の武器の一つ。有権者、聴衆と山本候補がツーショット写真を撮り、その写真を拡散して、ネット上で脱原発の政策などを訴える。資金なし、地盤なしの陣営ならでは地道な作戦。自民、公明が優勢と見られているなか、大衆の力が、政党、組織のバックアップや地盤、資金のある候補者を破れるのかどうか。
<若者たちよ、投票へ>
首都決戦もそうだが、投票に行く人が少ないと言われる20~30代の若年層の投票率が、選挙の勝敗のカギを握っている。このまま若者層が政治に無関心のままだと、「政治が大企業や団体の方ばかりを見ている」→「若い人が投票に行かない」→「政治家が若い人の話を聞かないようになる」→「投票に行く人が多い高年齢層の言い分が、国民の声として政治に反映しやすくなる」→「若者の声が政治に届かず、若年層の政治への関心がますます薄くなる」という、悪循環に陥る。
この流れを、どこかで断ち切らなければならない。山本候補は、若者たちに「政治をあきらめないで」という声を上げ続けた。「今回、投票を棄権するということは、ゆくゆく若者たち自らの首を絞めることになってしまう。本音は、山本太郎に投票してほしいですが、とにかく投票に行って、若い世代の意見を政治に反映させてほしい」と、呼びかけた。
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