選挙期間におけるインターネットの利用が広く行なわれるようになった今回の参院選。各陣営、ブログやメール、フェイスブック、ツイッターなどで日々情報を発信している。福岡市を拠点とする全国比例代表の新人候補・岩本壮一郎氏(32)は、「政治Facebookページランキング」で全参院選立候補者中12位、所属する日本維新の会の立候補者では1位という善戦を見せている。
19日夕、期日前投票が締め切られる1時間前、「僕たちの未来がかかっています。若い世代の関心がなければ日本は変わりません」と大学生が声を上げた。岩本氏をネットで知り、応援に駆けつけた西南学院大学の学生たちだ。若者の代表として、「20~30代の若者があらゆることにチャレンジできる環境づくり」を訴える岩本氏を支援するボランティアには若者が多い。「大人たちが選挙権のない子どもたちの未来を考えるしかない」という岩本氏は、選挙期間中、とくに投票率の低い若年世代へ、選挙に関心を持つように呼びかけてきた。
選挙戦の17日間、猛暑日が続いた。足をとめて街頭演説を聞く有権者にも負担が大きい。岩本氏は街頭演説では、端的に自らの政治姿勢やビジョンを語った。政策の中身や投資顧問会社経営で培った金融・財政の見識などはブログに掲載し、フェイスブックで拡散を呼びかける。平日昼間は学校や仕事で、街頭で演説を聞く機会が少ない若年世代にとって、ネット上でリアルタイムに更新される『演説』は大いに参考になるだろう。「岩本壮一郎をネットで検索してください」という岩本氏。自身のキャッチフレーズに、フェイスブックで投稿に共感を覚えた人が押す「いいね!」を使った。ネット選挙ならではの選挙運動だ。
「政治Facebookページランキング」は、ネット選挙解禁となった参院選に合わせて7月5日に公開された。ランキングは政党別に見ることも可能となっている。今回の参議院立候補者では7月19日現在、全国比例の自民党・佐藤正久氏(52)が14,488ptで1位。公示後、急伸してきた東京選挙区で立候補の無所属・山本太郎氏(38)が8,685ptで3位にランクイン。そのほか、政権与党である自民党・公明党の候補者がひしめくなか、岩本氏は3,109ptで12位に入っている。日本維新の会においては、ネットメディアの特別企画も活用して情報発信をしているタレント候補に約2,000ptの差をつけた。
「選挙区は日本全国」「投票は個人名」という参院選・全国比例代表選は、国政選挙で最も難しい選挙とも言われている。今回、初めて立候補した新人には、公示前から知名度の高い芸能人やスポーツ選手、有名な経営者や有識者などが少なくはない。そのようななか、全国的には無名の存在と言える岩本氏がどれほどの票を獲得できるのだろうか。投開票はあす(21日)行なわれる。
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