<ネット動画で可視化>
今回から選挙運動での使用が解禁となったインターネットを選挙戦で駆使したのも、山本太郎陣営の勝利の一因。選挙期間中の活動を、インターネットで逐一見えるようにした。あるボランティアスタッフは、「ボランティアスタッフのなかに、ネット動画を撮れるプロがいて、彼らが撮った動画をネットで流した。いろんな人がボランティアに参加してくれて、選挙活動中に力を発揮してくれた」と、選挙戦を振り返る。
悪く言えば、ネットでかき集めた寄せ集め集団。だが、集まったスタッフが一丸となり、それぞれの持っている能力を活かしたことが、勝利につながった。
街頭演説の場所に直接行けない有権者らも、動画サイトなどで山本氏の演説を見ることができた。街頭演説に向かう移動中のインタビューや、緑の党から立候補していた三宅洋平氏とともに渋谷で開催した選挙イベントの様子なども、ネットの動画サイトで生放映した。徹底した選挙活動の可視化が、支援の輪の広がりを呼んだ。
<国会内部も見える化?>
山本氏は、「今回は、ギリギリで出馬を決めた前回の衆院選よりも準備期間があった。ネット選挙が解禁されたことで、選挙期間中に地上波や大手メディアでは報道されないことを、ネットで共有できた。ネットを使って、生放送をし続けた。そこがすべてではないが、ネットで訴えを広げられたのは大きかった」と、ネットの力を勝因の1つに挙げた。
選挙戦で得たノウハウ。国会に入ってからも、このネットによる政治の可視化を続けていく。
「すべてを見えるようにしようとすると、山本の近くには誰も政治家が寄ってこないかもしれない(笑)。見せられる部分に関しては、選挙戦でもやってきたように、『この議員がこういうことを言った』などという動画を国民が見ることができるように可視化していきたい」と、ネットという武器を活かし、国会、国政の透明性を高めることにも挑む。
※記事へのご意見はこちら