<21日夜、民主党前代議士が集合、その行く末は?>
参院選の投開票が行なわれた21日の夜、筆者は、参院選・福岡選挙区に立候補した民主党・野田国義氏の選挙事務所に1時間ほどいた。目前には、古賀一成氏や藤田一枝氏など、昨年末の衆院選で落選した前代議士の面々が勢ぞろいしていた。前述の2人はもう引退してもいい年にさしかかっているから将来の心配をしてやる必要はない。だが30代や40代前半で落選した政治家たちを眺めるにおよんで終始、「はたして復活が可能なのか、または政治の世界から足を洗うのか」という関心と心配の念を抱くようになった。
選挙の結果は、野田氏がどうにか当選して民主党の1議席を確保し面目を保った。会場では相変わらず体育会系を売り物にしていた某氏が大きな奇声を発していた。時の勢いに乗って前々回(2009年)の衆院選では比例復活したが、彼のスタイルではとても再起は不能だろう。政治家としての見識と人格に磨きをかけないと有権者から見向きもされない。某氏は国民の「民主党への期待」という風を受けて代議士のポストに辿りついた。次回、再起するためには自分の力を10倍くらいは養成しないと無理であろう。
<民主党は潰れた>
筆者の友人は、会社を起こして4年目で潰した。その後、必死になって企業再生に励んだ。今は、自分の身の丈に合った経営に専念している。最近では、「社会貢献70%、利益を得ることに30%」という行動規範を貫いている。この友人は民主党の落選した若手政治家を身近でサポートしてきた。最近、しみじみと本音を洩らしてくれた。
「会社再生は非常に難儀ではある。だが、自分が死ぬ気で努力すれば企業の立て直しはできる。ところが議員、とくに国会議員がただの人になり下がれば復活は容易でない。まして民主党が壊滅した以上、支援してきた政治家の次の当選は至難の業だ。私が企業再生させたエネルギーの10倍、いや100倍要るだろう!!本当に可哀そうな気もする」
ひと昔前に社会党出身の村山内閣が誕生した。戦後、自民党政権の独走をチェックする役を果たしてきた社会党が政権与党になったのだが、国家経営に対して無能であることが立証された。結果、国民は社会党に『用済み』と、レッドカードを突きつけたのである。その後の社会党は周知の通り政党の体をなしていないところまで落ち込んだ。「社会党は所詮、反対勢力の域を脱することができない」ことを知ると国民は冷酷な仕打ちを行なったのである。実に、恐ろしい!!
同じ運命が待ち構えているのが民主党だ。24日、同党の命運は完全に尽きた。菅・鳩山両元首相の処分すら決めきれないのである。またまた「決められない政党」の馬脚を現した。少なくとも6年前の参議院選挙から国民の間では「民主党に政権を握らせて閉塞した日本の状況を打破してもらおう」という期待感が高まっていた。そして2009年の衆院選で民主党が圧勝した。だが残念ながら民主党は能がなかった。国民は社会党以上の厳しい鉄杭を民主党に浴びせたのである。
だからこそ厄介なのだ。民主党の看板は頼れない。自力で衆議院議員の復活を成就するしか方策はないのである。野党の大連合、再編が為されるのは成り行きだ。その流れを見極めながら己の立ち位置を決めなければならない。前記した友人が会社を再生した苦労の100倍を背負う覚悟がいる。覚悟があったとしても当選する確率は薄い。筆者としては落選組のなかに数人は復活していただきたい人材はいるのだが――。
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