アベノミクスによる景気高揚感。実際に消費者の購買力には表れているのか。お中元商戦も終盤戦の7月下旬。福岡市にある岩田屋本店本館7階のお中元ギフトセンターを訪ねた。
<気になる今夏の売れ行きは?>
「アベノミクスの影響かどうかは判断しづらいが、福岡エリアでのお中元の売上は昨年対比で5~6%上がっている。ピークは過ぎたところで、ある程度数字が見えてきており、福岡の百貨店全体でも、昨年を上回る結果になるだろう」と担当者はみている。岩田屋本店、久留米店、県内各地のサロンを含めて、すべてにおいて売上が上昇している。これまではどこかの店舗で売上が上がっても、どこかで下がってしまうことが多かったが、今夏は全体でまんべんなく上昇しているという。
<法人需要と個人需要>
一昔前には、お中元の売上を大きく占めた法人需要。景気の回復の兆しがみられ、法人需要が伸びているのか。しかし、担当者はそう感じてはいない。「正直、法人需要が伸びているという実感はありません。これまでお中元の売上を大きく左右してきた法人需要は昨年とそれほど変わりません。個人需要が伸びて、全体を押し上げているというのが現状です。単価が上がっているとか、配送件数が増えているとかそういう傾向はあまり見えてきません」
ただ領収書の発行数が昨年よりも増えているとのことで、「交際費の法人税優遇などの影響もあったのかもしない」と話す。会社で支出するお歳暮にかかる費用は、運送代を含め原則「交際費」として取り扱われ、今年4月からは、資本金の額が1億円以下のいわゆる中小企業の場合なら、年間800万円を上限に交際費を損金処理することができることになっている。
<早まるお中元セール>
お中元セールのスタートは6月1日。以前はピークが海の日前後だったが、最近は各社が早割などを導入し、数量限定のこだわりギフトなどをそろえたことで、年々前倒し傾向が
続いている。今夏も7月初旬の土日がピークで、今からは駆け込み需要が増えていく。2カ月間ギフトセンターを設けているが、前半はこれまでになかった新商品を求めてやってくる顧客が多く、現在は届いたお中元のお返しを求めて定番商品が売れている。それにともない、会場のレイアウトや商品陳列なども変えているそうだ。
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■お中元担当者より
すぐにでもお送りできるように、配送手配できますし、急に必要な持ち帰り商品も充実させておりますので、ぜひ駆け込んできてくだい。お待ちしております。
お中元の取り扱いは
岩田屋本店 8月5日(月)
福岡三越 8月4日(日)
岩田屋久留米店 8月7日(水)
岩田屋サロン全店 8月15日(木)まで
▼関連リンク
・岩田屋本店
・岩田屋ネットストア
・福岡三越
・福岡三越ネットストア
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