アベノミクスによる景気高揚感。実際に消費者の購買力には表れているのか。お中元商戦も終盤戦の7月下旬。福岡市にある岩田屋本店本館7階のお中元ギフトセンターを訪ねた。
<売れ筋商品にも変化が>
福岡の特産品である明太子を筆頭に、種類豊富なビールは梅雨明けが早かったこともあり、好調が持続。お菓子やハムなども根強い人気。それに加わってきたのが期間限定のスイーツ系商品である。パティスリー・サダハル・アオキ・パリのアイスを焼き菓子で挟んだ「サンドくん」は岩田屋のみの販売で、すでに完売。フランス菓子16区の「生パイナップルパイ」なども昨年に続き登場し、人気だった。
スイーツ系商品をそろえたのにはワケがある。お中元を買いに来る顧客のほとんどが奥様中心の女性。買いに来るがそれは自分では口にしないもの。定番商品ならお中元を注文して、それで買い物終了となるが、期間限定スイーツ系をそろえておけば、お中元プラス自宅用に買っていくことが期待されるからだ。
<ネットショッピングの利用>
毎年伸びてはいるものの、岩田屋全体では、まだ1割も満たない。ギフトの需要を支える顧客の年齢層が高いというのが1つの要因だ。はじめてのネット利用を岩田屋のショッピングサイトで迎える顧客もいて、「途中まではうまくいったが、これから先に進めない」と電話がかかることも。これから大いに期待している分野ではあるので、商品の充実とサービス向上を目指す。定番商品ならネット注文に迷いはないが、新商品ではそうはいかず、自分の目で確かめたいという顧客が多いとみられる。
<期待と危機感入り混じる>
「お客様はある程度戻ってきてくれているので、安心している。だが比較的高価格の商材をご提案しきれていない。今年はアベノミクスという表現が通用したが、来年はこのままでは乗り切れないという危機感もある」と担当者。
当日、売り場をのぞいてみた。売り場ではベテラン従業員が顧客のニーズを聞いて、丁寧に商品を提案していた。顧客を待たせないように、十分な人員を割く配慮も。ネット注文が増えるなか、じかに商品を見て、相談に乗ってもらえるという安心感。それが百貨店の強みだろう。
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■お中元担当者より
すぐにでもお送りできるように、配送手配できますし、急に必要な持ち帰り商品も充実させておりますので、ぜひ駆け込んできてくだい。お待ちしております。
お中元の取り扱いは
岩田屋本店 8月5日(月)
福岡三越 8月4日(日)
岩田屋久留米店 8月7日(水)
岩田屋サロン全店 8月15日(木)まで
▼関連リンク
・岩田屋本店
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