西日本シティ銀行(本店:福岡市、久保田勇夫頭取)は7月26日、「不正事件の発生について」と題するニュースリリースを発表した。
それによると、直方支店に勤務していた個人営業担当の女性行員(39)が、過去18年間にわたり顧客の口座から計1億4,200万円を着服していたという。
6月24日、日記帳を点検していた支店長が、顧客から行員名義の口座に数百万円が振り込まれているのを発見。調査をした結果、女性行員は1995年4月~2013年6月、親戚や知人計18人の口座から114回にわたり現金を引き出し着服。いずれも被害者の届け印が押された払戻請求書を使うなどしていた。
その女性行員は発覚直後に入院し、詳しい事情が本人の口から直接聴けない状況となっている。
同行は関係機関への対応については
「すでに警察に通報するとともに、当行は刑事告訴に向けた準備を進めております。また、法令に基づく監督官庁への届出も行っております」としている。
銀行員による不祥事件は西日本シティ銀だけではなく、ライバルの福岡銀行でも発生している。今年4月19日、福岡銀行は「中間支店(福岡県中間市)の男性行員が平成23年2月~24年10月、訪問集金先から預かった現金の一部を抜き取り、計163万円を着服していた」と発表。同日付でその行員を懲戒解雇し、業務上横領罪で刑事告訴している。
金融当局は男女を問わず、顧客預金の着服を防止するために、行員の定期異動(5年以内)を指導している。
今回、顧客預金を横領した女性行員の転勤履歴が記載されていないが、もし長期にわたり直方支店に勤務していたとすれば、女性行員の不正を見抜けなかった歴代の支店長だけでなく、事故を未然に防ぐ人事体制を放置していた上層部も、その責任を問われることになるかもしれない。
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