瓦工事のA経営者の脳裏には、いまや強気と不安が交錯状態にある。「現局面では営業担当者たちは楽だ」と言う。住宅会社に行けば必ず仕事の発注がある。だから営業マンたちのセールス活動を2割に抑えて現場に廻している。「仕事は腐るほどある。バブルといって良い。ただし受注した現場をどう納期中にこなすかを考えると、頭がパニックになる。『もう仕事はいらない』という気分になってしまう」と語る。
この世界も職人の高齢化が加速化して深刻な問題になっている。年配の職人はこの猛暑の炎天下では仕事の能率が半減してしまう。
若い連中もいるが、やさしい声かけをしてスカウトした高校中退などのドロップアウト組が多い。労働環境が激烈なために、突然、連絡が取れずに退社してしまう。
「今後のことを考えると、『一体!!誰が工事をしてくれるのだろうか』と不安になる。息子が今年、17歳になるので大学進学を止めさせて職人にさせるつもりだ。息子も了解している』と苦しい職人繰り回しの現実を披露する。
【アベノミクス】には職人確保の処方箋はなにも明示していない。無責任極まるな!!
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