前回から引き続き話を進めよう!!民主党で是非、復活していただきたい一人の若手政治家A氏(前代議士)と会食した。7月21日の夜、参議院福岡地方区の民主党公認であった野田国義候補の選挙事務所でA氏に久しぶりに会った。爽やかな顔していた。一見して、ふっきれた顔つきであった。そして会食場所でもまた一段と爽やかさが光っていた。「政治活動の緊張状態から解放されているせいなのかな」と思い巡らせもした。
開口一番、「いやー、民主党も社会党の二の舞になりますよ!!国民は馬鹿ではありません。3年3カ月、民主党に国家経営を託しましたが、国民は『民主党には能がない』と見切りをつけました。再度の復活はありません。民主党の看板にぶら下がる議員たちは労組支援に依存している連中だけでしょう。Aさんはどう思われますか?」と質問を投げかけた。
A氏は、顔に動揺の気配を漂わせていた。「やっぱりな」と思い当たる節があったのだろう。
「私も同じ見解です。途中解散がなければ、次の衆議院選挙には、任期満了まであと3年半あります。風雪に耐えられる覚悟はしていますが、今の状態では民主党の存続は不可能でしょう。民主党が解党して大きな野党の組織が誕生する事態になればまた大きな選択が迫られるでしょう。この見通しを思慮すればするほど不安感が高まってきます。原因は、我が党の中から野党大再編する役割を担う人物が浮かばないからです」と本音を漏らしてくれた。
「確かに民主党にはさまざまな論客がいましたね。でも、要は評論家です。ところが薩長連合を実現した坂本龍馬や、民主党の大連合を画策した小沢一郎氏のような大局観をもってリスクを背負って蛮勇を振るう国士はいません。前原誠司代議士もその器ではないし、該当者が見当たらないのが悲劇です。野党大再編の主導権を発揮できる逸材は、残念ながら民主党外から出現するのではありませんか」と筆者は語った。この見解にはA氏も同調してくれた。
<使命感ばかりでは再起は容易ではない>
民主党の勢いに乗ってA氏は代議士になった。若かった。怖いもの知らずであった。40歳になり家族も増えて現実を直視する立場にある。党から活動費の支給があり顧問先から支援金があるからカツカツの政治行動は維持できる状態だ。現状、我慢して時機到来を待つか!!焦燥して使命感ばかり燃やしたとしても、現局面の打開・再生は無理であることはわかる。ジーッと耐えている間に、なまくらになってしまう恐れもある。
企業倒産した経営者は、自らの力を信じて奮闘すれば事業の再生の道は切り拓かれていく。A氏の場合の政治家再生の労苦は、経営者の10倍のエネルギーを要する。
まずは政治家を志した原点に立ち返ることから始める。政治をやるための理論武装の再点検・再武装も重要だ。選挙民との接点をさらに100倍増やす努力を怠っていては再生の資格を失ってしまう。政治家再生の努力を積み重ね、徳を積み重ねて視野を広げてチャンスを窺う姿勢を堅持していく。そうすれば天命が下る日がいずれやってくるだろう。
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