今年の台湾プロ野球前期リーグは集客、視聴率ともに好調だった。その理由のひとつが「第3回WBC(ワールドベースボールクラシック)の快進撃」、そして、もうひとつが「メジャー555本塁打の人気選手、マニー・ラミレス選手が加入したこと」だった。しかし、ラミレスの突然の退団により、早くもしらけムードが漂い始めている。
前期リーグを激戦の末、義大ライノスが制した台湾プロ野球は、後期がスタートした。後期のオープニングは2試合、新荘球場で統一ライオンズと兄弟エレファンツ、桃園球場で義大ライノスとLamigoモンキースが対戦した。
前期は打率部門で林益全が.391、高國輝.363、マニー・ラミレス.352、胡金龍.349など上位を独占。ホームラン部門でも林益全が14本を放つなど、新規参入の義大が圧倒的優位を占めた。投手部門では、林晨樺が前期だけで10勝、希克6勝、林英傑5勝、柴克が11セーブをマークするなど、義大陣が好調だった。
後期は、前期最下位だった兄弟エレファンツが快調な出だしを見せ、統一、Lamigoが追う展開だ。前期の覇者・義大ライノスは主力打者だった人気選手・マニー・ラミレスが、「家族と離れて長く暮らすわけにはいかない」との理由で突然の退団、アメリカ球界(テキサスレンジャーズとマイナー契約)に復帰するなど戦力ダウンは否めず、出遅れている。台湾野球ファンにも「結局いい選手はアメリカや日本でプレーするんだ」としらけムードが襲ってきている。
WBCでの大健闘もあって、今年人気を集めている台湾プロ野球だが、昨今、台湾は国内スポーツへの関心が低迷している。プロ野球が台湾国内スポーツ人気の牽引役となるのか...。スポーツ業界関係者は、プロ野球の観客動員数や試合中継番組の視聴率など、さまざまな部分で注目を集めている。
後期は10月上旬頃まで争い、後期の優勝チーム(義大以外のチームの場合)は、日本で言う「日本シリーズ」にあたる「台湾チャンピオンシリーズ(総冠軍賽)」で義大ライノスと対戦。先に4勝したチームが年間覇者となり、台中で開かれるアジアシリーズに進出する。
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