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国会開会、失職確実?首を洗って待つが良い(前)~選挙無効全47選挙区で提訴
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2013年8月 2日 16:52

 自民の圧勝と民主党の一人負けで終わった参院選挙が終わり、8月2日、臨時国会開会を迎えた。今、静かなカウントダウンが始まっている。選挙区選出の参院議員は覚悟が必要だ。

<百日裁判のカウントダウン>
kokkai.jpg 7月21日に投開票された参院選は、1票の格差が最大4.77にのぼり、北海道や兵庫県などの有権者は1人0.21票しかなかった。福岡県民は、0.23票を持っていたので少しはマシかもしれない。
 選挙翌日の7月22日、升永英俊弁護士、久保利英明弁護士、伊藤真弁護士らのグループの有権者有志が「正当に選挙された国会における代表者を通じて行動する主権在民に反し、憲法違反だ」として、全47選挙区を対象にして、選挙無効を求める訴訟を全国14の高裁・支部に提訴した。
 公職選挙法213条1項、2項は、「訴訟の判決は事件を受理した日から100日以内にこれをするように努めなければならない」と、百日裁判のルールを定めているので、秋には高裁判決が出揃い、早ければ年内、いやもっと早く、最高裁が判決を言い渡す可能性がある。
 升永弁護士らは「憲法違反・選挙無効になるのは確実だ」としている。
 今回、選挙区で当選した73人の参院議員は失職の可能性がある。首を洗って待っていた方がいい。

<「1人0.21票」はおかしい>
 有権者の投票価値が、住んでいる地域によって1人1票に満たず、0.21票しかないということは、民主主義の国ではあり得ない事態だ。

 これまで、憲法違反で無効な選挙を有効にするイカサマが36年間続けられてきた。それは、「事情判決の法理」という、不可解な理屈である。
 「事情判決」の法理というのは、「処分が無効であっても、取り消すことにより公の利益に著しい障害を生ずる場合、諸般の事情に照らして処分を取り消さないことができる」というものだ。行政事件訴訟法の「事情判決の制度」の基礎にある法の基本原則を適用したものだと最高裁判決(76年最高裁大法廷)は述べている。法の番人であり、憲法擁護義務を課せられた裁判官、しかも最高裁判事が、それを許してきたのだ。

<憲法を超越した「事情判決の法理」>
 しかし、何かおかしいことに気づくはずだ。といっても、そのことに筆者自身が気づかずに、「事情判決」にとらわれていた。小学生以下だったと告白したい。憲法が最高法規だというのは、小学生でも知っている。最高法規だからこそ、98条で、憲法に反する法律や国務に関する行為はその効力を有しないと定めている。憲法違反の選挙は無効だということになる。ところが、今年(2013年)の3月まで、裁判所は違憲状態と言いながら選挙無効と判決しなかった。その理屈が「事情判決の法理」だ。
 憲法が法律より上にあることは、常識である。にもかかわらず、行政事件訴訟法の基本原則に過ぎない「事情判決の法理」が、憲法の上に立って、「違憲だけど有効にしろ」と命じる位置にあることになる。憲法に反する法律自体が効力を持たないのに、最高法規が導き出した結論を否定できる効力を持つという摩訶不思議な理屈、憲法を超越する存在、それが「事情判決の法理」だ。

(つづく)
【山本 弘之】

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