「通訳案内士を増やすことで観光客のニーズに答えよう」。
観光客が九州に訪れる際に出てくる様々な要望に応えるための打開策が発表された。アジアからの観光客に対する通訳案内士が不足傾向にある九州で、通訳案内士を補完し、訪日外国人のニーズに対応できる体制を作っていこうという試みである。
日本への台湾からの観光客数は増加傾向にあるが、九州は、東京・富士山などの関東圏、京都・大阪などの関西圏、北海道、中部一帯に大きく差をつけられている。九州は「距離の近さ」「行き届いたサービス」「美味しい食事」などを材料に、今後も、アジア諸国への観光PRを行なっていく方針で、「日本国内での顧客争奪戦」に打ち勝つためには、これらの課題を解決することが重要なカギとなっている。
九州7県の官民で組織する九州観光推進機構は、政府から認定を受けた「九州アジア観光アイランド総合特区」に基づいて、認定試験を簡素化した『九州限定の通訳案内士』の募集を来年1月から始める。簡略化することで受験者の意欲を喚起するのがねらいだ。研修と試験を経て、来年4月にも特区の通訳ガイドが誕生する。
募集するのは中国語、韓国語で、3月からこの機構が策定した研修を実施。語学に加え、九州観光や旅程管理に関する知識の習得が必要だ。本来、外国人旅行者を有料でガイドするには通訳案内士の国家資格が必要だが、九州では中国語などの案内士が不足。60時間の研修終了後、口述試験に合格すれば『九州限定の通訳案内士』と認定され、有料で通訳ガイドができる。語学力のある日本人や留学生を想定しており、この秋にも募集要項を公表する。
通訳案内士が増えることで、アジアからの観光客は、より一層、九州の「面白さ」を実感できるだろう。
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