＜悪評蔓延＞
　８月２日夕、あるパーティーの席上のこと。友人が黄綬褒章を頂き300人がお祝いに駆けつけていた。出席者の大半は不動産取引業者の経営者たちであった。１つのテーブルに８名の方々が着席した。同席のメンバーの１人に目が合うや否や、「いやー！！コダマさん！！NET-IBをよ～く読んでいます。しかし、福住の河野会長もあそこまでやるんですな。今までの付き合いからして、会長に対してあまり獰猛な印象を持っていませんでした。紳士で控えめな方と思っていましたが、今回はやり過ぎだ。税金が絡んだ取引だったし。そこまで銭ゲバに徹する必要もなかったものを・・・」と、饒舌に語った。

　それを受けて、同テーブルの別の不動産業者が「ご指摘の通りです。30年近い商売仲間として交流がありますが、信じられません！　福岡市役所という公的機関から土地転がしで利益を得ることを河野会長が行なうとは不可解です。何か焦る必要があったのでしょうか。個人の信用問題だけでなく創価学会・公明党を巻き込んでしまう恐れがあります。民民取引とは開き直れない難問が横たわっています」との懸念を述べた。

＜１億円還元をなされたら＞
　河野会長！！このシリーズでは筆者は貴方の紳士としての評価、手堅い経営手法、会社の卓越した情報収集力を褒めたたえてきた。しかし、今回の経緯を辿ってみてもどういう言い訳も許されないだろう。福岡市長・高島宗一郎は2011年７月の市政運営会議で福岡市中央保育園の移転立替を決めた。その前から担当局は現在の移転予定地に目を付けており、実質、同会議で同土地への移転が決まっていた。この情報をいち早くキャッチした福住サイドは、同土地の買いに動いた。購入契約は11年９月。業界の誰もが「７月から手際よく動き始めていたのだろう」と、勘繰るのは当然だ。

　2011年11月から、福岡市と福住との間では交渉が開始されている。12年４月に土地取引について概ね合意。ただし、福岡市が購入価格を決めたのは同年６月の不動産鑑定評価（約９億円）を受けてのこと。そして今年３～４月で決済が行なわれ、８億9,900万円で移転予定地が取引された。「10カ月足らずで荒利１億3,300万円！」ということになる。

　河野会長！！貴方自身でも同じことを考えなさいませんか？何事も慎重な会長が「2011年9月に購入した土地が、わずか10カ月後の2012年６月に１億3,000万円以上高い評価をされ、その値段で売り抜けると世間から怪しまれるかな」という懸念をお抱きにならなかったことが不思議でたまらない。現在の土地バブルであれば10カ月で不動産価格の短期での高騰も有りうるが、あの時点（11年９月～12年６月）の値上がりは不自然である。

　値上がりがあると一歩譲ったとしても高邁な河野会長であれば福岡市への土地転がしで利益を得るという魂胆を持つはずがないと信じたい。ここは英断を求めたい。「実費が嵩んだ分を差し引いて１億円を福岡市に寄付をさせて頂く」という河野会長の決断を促したい。庶民の我々には１億円は大金であるが、会長にとってはビジネスで簡単に稼げられる金額だ。朗報をお待ちしていますよ。

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