異国文化や情勢を知るための有効な手段として「映画を見る」という方法が挙げられる。日本では「韓流ドラマ」も多く放送されているが、映画には歴史的背景や伝統的な文化、風俗が色濃く反映されていることが多い。
「韓国を知る」ためにどのような映画を見れば良いのだろうか・・・。韓国でヒットした作品、あるいは、韓国人有識者が推薦する名作映画をご紹介する。ピックアップする作品は日本の大手レンタルDVDストアでも入手可能だ。
『チェイサー』
2008年公開。
04年、10カ月で21人を殺害した疑いで逮捕された韓国で「殺人機械」と言われた殺人鬼ユ・ヨンチョルによる連続殺人事件をモデルとしたサスペンス作品。
作品の舞台はデリバリー型風俗業界。店を経営する元刑事ジュンホの店で働く女性が相次ぎ失踪。時を同じくして街では連続猟奇殺人事件が発生。ジュンホは女性たちが残した携帯電話の番号から客の1人、ヨンミンにたどりつく...。
元刑事の追想劇が緊迫感とスリルに溢れる。猟奇殺人事件が発生しているなかで警察が犯人との接点を持っているにも関わらず証拠不十分で放置するようなシーンも見られ「作品には『警察の捜査能力批判』が込められている」と指摘する声もある。
■主なキャスト
キム・ユンソク(元刑事役)
ハ・ジョンウ(連続殺人鬼役)
ソ・ヨンヒ(犯罪に巻き込まれる女性役)
韓国では観客動員数が500万人を超えるヒット作となったが、ヒットの背景として、社会問題となったユ・ヨンチョルの事件がモデルになったことも挙げられる。ただし、描写やストーリーが凄惨な場面もあり、韓国ではR-18、日本ではR-15に指定されている。
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