中洲に居酒屋「博多中洲 遊食亭」を構えて、6年目を迎える(有)ターボマニア。もつ鍋に馬刺、呼子のイカが名物で、料理はすべて手作りにこだわる。「若者たちに伝えたい。自分たちが提供した食べ物でお客さんが笑顔になる。その瞬間を大切にしてほしい」と飲食業の魅力を語る同社代表・木戸泰輔氏が、7月にカンボジアの首都プノンペンに飲食店「cross town cafe」をオープンさせた。海外進出に至った経緯やこれからの展望を同氏に聞いた。
<ロールケーキが人気>
外観はおしゃれなカフェ。メインはカレーだが、実はサイドメニューのロールケーキが人気。カンボジアにはおいしいケーキが少ないらしく、ロールケーキが現地で人気を博している。ワンホールで30ドル、ワンカットで3ドル程度と日本よりも若干高いくらいだ。それでも求めてやってくる客がいる。そこで、ロールケーキをメインに、昼はスイーツカフェ、夜はバーにというスタイルに変えていこうと模索中だ。「スタッフは以前のカレー店から引き継いでいるので、急な変更を伴うと衝突が生じる」と気遣う木戸氏。7月から現地入りしている日本人店長が、現地スタッフと溶け込めるかどうかが今の最大の関心事であり、コミュニケーションの充実が成功の鍵だと考えている。
<今後の展開>
ロールケーキの製造と販売を事業の中心に据え、今後は販売代理店を作ったり、他の飲食店に卸したりと展開を考えている。製造については、需要に応じてオーブンを追加していけば対応できると考えている。販売数はまだまだ少量であるが、今後はコストダウンを図り、手ごろな値段で提供できるように努力したいという。
■取材メモ
「1月末に初めてカンボジアを訪れてから、たった6ヶ月しか経過していないが、明らかに建設中の建物が多くなっている」と木戸氏はカンボジアの成長ぶりを肌で感じている。チャンスあふれるビジネス環境にあるが、常に念頭に置くのは「個人というよりも日本人として、カンボジアで感謝される存在になりたい」ということ。日の丸を背負って、戦っているのは何もスポーツ選手だけではない。ここにも立派な日本代表がいた。
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・博多中洲 遊食亭
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