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秋の政局に向けた前奏曲か?~参院選挙後、各政党は大荒れに荒れた(前)
政治
2013年8月12日 15:30

 参院選挙後の7月30日、参院自民党の会長選挙が行なわれた。中曽根弘文氏が勇退し、町村派、額賀派、岸田派の話し合いで、幹事長の溝手顕正氏が昇格する運びだったが、これに異を唱えたのが鴻池祥肇氏だ。
「参院は派閥の順送りではいけない」
 鴻池氏自身も出馬した参院選の真っ最中に、会長選への出馬を決意。兵庫県に応援に入った麻生太郎為公会会長には、車の中でそれを伝えたという。

jimintou2.jpg 26日告示で、選挙期間はわずか4日間だったが、鴻池氏は全速力で衆参を駆け巡った。参院のみならず投票権のない衆院の自民党議員の事務所にも2度にわたって挨拶状を送り、支援を頼んだ。自民党参院会長選挙としては異例のことだ。
 鴻池氏は派閥による会長選任に反対する中曽根氏の支援も得たが、結果は82対31で(無効票1)、溝手氏の勝利に終わる。大きな派閥の支援を得ずに独自の闘いを繰り広げた鴻池氏は「善戦した」と言われるが、周囲の評価は厳しい。
それは幹事長ポストを獲れなかったからだ。
会長に選任された溝手氏は、即座に新幹事長に参院国対委員長だった脇雅史氏を指名。その場で了承を得た。
「鴻池氏は自分のみならず、助けてくれた人にメリットを与えたのか。結局は自分が『会長になりたい』というだけで、何も得ていないのではないか」
 そんな批判の声が聞こえている。
「これで3年は表に出られなくなった。鴻池氏の年齢から考えて、6年後の参院選に出馬することがない。とすれば、任期の後半の3年間はほとんどレ―ムダック状態になってしまう。これで目立った役職に就くことは、まずないだろう」
 敗者に厳しいのが政治の常識だ。

 参院選挙で大負けした民主党も、8月6日に参院会長選を行なっている。副議長に転出する輿石東氏の後任のため、任期は来年の通常国会終了時までになる。北澤俊美氏と郡司氏が出馬し、33対24で郡司氏が当選した。
 自民党議員として政治キャリアをスタートさせた北澤氏と農協労連出身の郡司氏。対照的な2人は、民主党の中の2極化を象徴しているようだ。最初に手をあげたのは北澤氏で、当初は優勢が伝えられた。告示日である5日、北澤氏の側近は「30票は確保した」と自信を見せている。
 だが結果は、10票近くの差をつけて、郡司氏の勝利となる。「労組出身の会長を望んだ輿石氏が暗躍した」と言われているが、実際にはそれだけとはいえない。郡司氏は性格が温厚で面倒見も良い。2009年5月の民主党代表選で、郡司氏は立候補した岡田克也氏の参院側の応援弁士を引き受けたことから、こんな期待の声もある。
「人づきあいが下手で親しい人間がいない岡田氏にとって、唯一といっていい食事をともにする関係だった。細かい配慮ができる郡司氏なら、崩壊ムードの党内の雰囲気を建て直せるのではないか」

(つづく)
【永田 薫】

| (後) ≫


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