福岡市で秋の恒例行事となっているアジアフォーカス福岡国際映画祭。各国から選りすぐりの作品が出展される予定だが、今回は「台湾」からの作品に注目してみた。
福岡国際映画祭は、福岡市制100 周年を記念して1989年に開催した「アジア太平洋博覧会」で培われたアジアとの交流をさらに深めるために、91年からスタートした。ほとんどの作品が日本初公開となり、日本語字幕を付けての上映となるが、アジア各地から参加するゲストや地元の留学生も観賞できるように英語の字幕もつけられている。全体では約20作品が上映される予定で、「注目を集める優れたアジア映画を世界に紹介していく」「映画を通して市民のアジアに対する理解を深める」のが開催の狙いだ。
今年は、台湾から2作品が上映される。「すこし恋して、ちょっと愛して(原題:甜˙祕密)」「ウィル・ユー・スティル・ラブ・ミー・トゥモロー?(原題:明天記得愛上我)」の2作品で、いずれも家族愛をテーマにしている。
「すこし恋して、ちょっと愛して」では、4人家族の心地よい距離感のラブストーリーが描かれている。高校生ヤンの家族の小騒動。父は婚約者がいるワケありの女性に急接近、母は店のお隣さんに図らずも心奪われ、姉は恋愛にまっしぐら。いちばんクールなヤンも、いつしか恋愛騒動に巻き込まれてしまうという甘くて少し苦みのある物語だ。
また、「ウィル・ユー・スティル・ラブ・ミー・トゥモロー?」は、新進気鋭の監督が、ある夫婦の葛藤を描いた。ウェイツォンは妻アフォンとの間に誕生した息子アワンとの3人家族。家族の生活は順風満帆そのもの、仕事も家庭もうまくいっているかのように見えた。しかし、実は妻の知らない秘密があった。その真実が証されたとき、夫婦はどのような決断を下すのか。夫婦の愛情とは何か、家族とは何か、共に生きるというのはどういうことなのか、シンプルかつ複雑な家族模様を映し出す作品だ。
夏休み期間中、家族サービスできなかったというお父さんは、台湾映画の「家族愛」に触れてみてはいかがだろうか?
■アジアフォーカス・福岡国際映画祭
<開催期間>
9月13日(金)~9月23日(月)
<開催場所>
キャナルシティ博多
(福岡市博多区住吉1−2)
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