久留米市で中古車販売業や自動車整備業を営む(株)ファイブホーカーズ(古賀範重社長)。創業して14年。同社は「50万円以下のカーショップ」を売りに順調に売上を伸ばしていた。その後他社が追随するように低価格路線に参入し、競合が激化。今はプリウスの中古車に特化して販売展開し、国内市場が縮小する中、販売数を伸ばしている。そんな同社がこの秋、ミャンマーへ進出する。まもなく現地に赴任する同社、営業次長の松尾和麿氏に話を聞いた。
――現地視察ではどのような印象を持たれましたか。
松尾和麿氏(以下、松尾) 今年3月に視察に向かいました。ミャンマーでは2年ほど前に中古車販売の規制が変わり、今では数多くの海外中古車が街を走っています。インフラが十分に整っていないのに、幹線道路は大渋滞。日本で100万円前後の車がミャンマーに輸出されると、関税がかかり、400万円ほどに。車種、年式などによっても異なりますが、日本価格の3~4倍になります。それでも高級車が走り回り、それが渋滞を起こしています。「そんなに金持ちがいるのか?」とあっけにとられました。不動産バブルで金を手にした一部の富裕層が車を買い求めているということです。
――ビジネスの手ごたえはありましたか。
松尾 首都ヤンゴンの修理業者やディーラーを回りました。車の需要はピークを過ぎた感はありますが、自動車関連会社を視察すると、どこからも「部品を調達したい。技術者を紹介してくれ」という声を聞きました。さらに現地で日本人の学校経営者とも知り合いました。その方から「現地の雇用が少なく、学生が卒業しても就職先が見つからない」という悩みを聞きました。自動車整備業を営むことで、現地の雇用作りにも貢献できると考え、整備工場を立ち上げようと考えました。
――想定外のビジネスチャンスを発見したということですね。
松尾 はい。車自体はどんどん日本から送られていますが、メンテナンスが弱いですね。ミャンマーの整備士はこれまで旧式で、さらに同じ車体の修理を繰り返してきたので、古い車種の修理技術については日本人以上のものがあると思います。ただ最近は高年式の車が多種入ってきています。それらはほとんどコンピュータ制御されており、対応できる技術者がいません。
また車のパーツについても課題は大きいですね。パーツのディーラーもないし、日系メーカーが進出しているわけでもありません。基本的にパーツがないし、入ってこない。廃車を解体する場合は、ねじ1本まで取っておきます。古い車種なら、それで対応できますが、新しい車種になるとたちまち困ってしまいます。そこで購入するのが、中国製のパーツらしいのですが、修理しても壊れやすい。品質が高いわけではないが、代わりがないので仕方なく購入しているそうです。だからこそ余計に純正の日本製品が求められているんですよ。
▼関連リンク
・(株)ファイブホーカーズ
・九経連IBC
<COMPANY INFORMATION>
(株)ファイブホーカーズ
代表者: 古賀 範重
設 立:2003年8月
所在地:福岡県久留米市山川沓形町1-6
TEL:0942-41-8450
FAX:0942-41-8495
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