(社福)福岡市保育協会 中央保育園の現・建設予定地への移転に反対する同保育園の保護者の会は、福岡市議会議員61名に対して公開質問を実施。市議たちから得た回答をHPで公開している。それによると、「今回の保育園の建設予定地への移転計画に賛成か、反対か」との問いに「賛成」は32名、保育園利用者への安全対策を行なうという条件付きの賛成が3名。一方、「反対」は17名。ほか無回答8名、回答不可1名であった。過半数の市議が現在の移転計画に賛成しているということになる。
会派別に見ると、自民党市議団は全19名が一括して賛成と回答。同保育園の保育士や保護者らが危惧している、ラブホテルが密集し、パチンコ店に隣接し、前面道路が狭隘な上、交通量が多いという周辺状況について「把握していた」とした。また、建設予定地について議会における議論は「第2委員会に報告され、議論している」と回答。その他の意見として、待機児童の解消に同保育園の移転は必要、かつ児童および保護者への安全対策は万全にすべきと付け加えた。
公明党市議団は6名が賛成し、1名が条件付きで賛成。5名が無回答。得られた回答には、建設予定地における利用者の安全対策を要望していたとする回答が多く見られるものの、移転計画については、「総合的に賛成」とした。みらい福岡市議団6名は、第2委員会でのチェックが甘かったとし、「議会の議決が必要とされなくても事前にチェックできる方法が必要」と議会審議のあり方に問題意識を示すも、移転計画には「やむなく賛成」と回答。同会派の1名は、建設予定地の取得をめぐる住民監査請求を審議している監査委員のため、除外されている。
移転計画に反対(「検討の見直しが必要」含む)と回答したのは、民主・市民クラブ8名、共産党市議団5名、社民・市政クラブ福岡市議団3名、無所属1名(みんなの党)。市側の議会への報告および議論については共通して不十分との認識が多く、建設予定地の選定・取引のプロセスについて、「大きな問題がある」「調査・検証を進めていく」といった回答がなされていた。土地取引については、みらい福岡市議団6名が「不透明さが残る」、福岡維新の会1名が「拙速」と指摘。この点については、問題性を指摘する議員が24名となり、「適正」とした25名に拮抗する。
すでに各種メディアで現在の建設予定地の問題点が報道され、NET-IBや調査報道サイト「HUNTER」では、いまだ高島市政が説明から逃れている土地選定・取引のプロセスについて追及を続けている。市民の関心も高まっており、社会問題化した本件について、ただ単に「賛成」「適正」などと答えた市議との間には、認識のズレがあるようにも感じられる。なお、公開質問への回答は、保護者の会HPで閲覧が可能となっている。
▼関連リンク
・中央保育園移転問題(福岡市中央区今泉):保護者の会HP
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