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特別取材

激変時代を生き抜いた日本とカンボジアの「架け橋」(4)
特別取材
2013年8月20日 07:00

<日本とカンボジア双方の成功を目指す!>
 これまで日本におけるカンボジアのイメージは、「地雷」や「貧困」だった。しかし、それはすでに過去の話。「たしかに昔、カンボジアは援助対象国でしたが、今や日本とビジネスできる国になっています。フン・セン首相のもと平和が訪れ、国際的信頼も得られるようになり、国際社会のなかの立派な国として成長していきます」と、カンナリット氏は強調する。

 急激に開発が進むカンボジア都市部。カンナリット氏によると、「近い将来、プノンペンの隣に同じ規模のまちができます。現在、小・中・大学まで一環教育のインターナショナル・スクールが建設中です。まちの真ん中には幅60mの『フン・セン道路』が通ります。隣町の日本大使館の向かい側では、土地が坪100万円、それを超えているところもありますから、新しいまちの土地は、おそらく坪50万円くらいだと推測しています」という。

 日本企業にとって多くのビジネスチャンス潜むカンボジア。同社では、日本企業とカンボジアのコーディネートおよびサポートを手がけていく。同社の名前「Soh Sei」は、「双方の成功(双成)」という意味が込められている。
 「国とのパイプを持っていることよりも、信頼できる人かどうかが重要です。弊社では、1発の勝負ではなく、持続的にみんなを儲けさせていくことを常に考えます。日本人の心を持ち、カンボジアと日本の架け橋となれることが弊社の強みです。日本の常識とカンボジアの常識を理解し、どちらかを優先するのではなく、双方のバランスを取り、お互いに受け入れられるようにしていきたい」。

cambodia03.jpg カンナリット氏が掲げた「双成」という志のもと、Soh Sei Corporationには、両国の優れた人材が集結した。CEOのカンナリット氏のほか、Chairman(会長)は(株)明月堂・顧問の秋丸武士氏、COO(最高執行責任者)は平田徹氏、CFO(最高財務責任者)は壽崎知幸氏。そして各分野にコネクションを持つエージェントを含め、30名で組織される。また、同社の設立に関わった酒向恵介氏が代表を務める(株)J-SEALsが関連会社として、輸出入事業を担当する。「外部情報が入っていないところにビジネスチャンスがある」という酒向氏は、民芸品などの「メイド・イン・カンボジア」を世界各国で販売するグローバルな展開を経て、ブランド力を高めたカンボジア製品を故郷・福岡へ持ち込みたいという夢を語る。

 苦難苦闘の人生のなかで、祖国・カンボジアと自分を育ててくれた日本の繁栄を願うカンナリット氏。その志が具現化したSoh Sei Corporationに、両国の架け橋としての活躍を期待したい。

(了)
【山下 康太】

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