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正念場アベノミクス、物価上昇の行方~悪循環か好循環か
経済
2013年8月21日 14:22

 政府は15日に公表した8月の月例経済報告で、6月の物価動向が1年2カ月ぶりにプラスに転じ、7月も「デフレ状況は緩和しつつある」として2カ月連続で上方修正した。
 また景気の基調判断については、「自律的回復に向けた動きもみられる」とした7月の表現を据え置いた。甘利明経済再生・経済財政担当相は会見の席上、デフレ脱却に向けた進捗度合いを聞かれ、富士登山にたとえて「7合目くらいにあり、デフレ状況ではなくなりつつある」とし、デフレ脱却に向けて前進しているとの認識を示した。

b_26.jpg 内閣府はデフレ脱却の定義について、「物価が持続的に下落する状況がなくなり、再びそうした状況に戻ることがないこと」としているが、6月の食料やエネルギーを除いたCPIは前年同月比0.2%下落とマイナスのままで推移しており、スーパーや外食などの価格競争は依然として厳しい状況にある。 
 6月の物価動向がプラスに転じた要因は、日銀の金融緩和によってもたらされた円安によるもので、小麦粉などの輸入食品やガソリンなどのエネルギー価格の上昇、特に電気代は前年同月比9.8%に上昇しており、家計を直撃する「悪循環の物価上昇」によるデフレ脱却と言えそうだ。
 政府はアベノミクス戦略の第三の矢である「成長戦略」によって、企業に設備投資を促し、賃金が増えて物価が上がっていくという「好循環の物価上昇」を生み出し、15年続いているデフレからの脱却によって日本経済を成長軌道に乗せようというシナリオ描いているが、実現できるかどうかについては依然不透明のままだ。

 株価も安倍政権が発足した昨年12月以降、外人投資家による買い越しによって上昇基調にあったが、このところ売り越しに転じ乱高下を繰り返す不安定な状況となっており、景気回復のバロメーターである株価も目が離せない状況になっている。
アベノミクスは大胆な金融緩和という「第一の矢」、大規模な財政出動という「第二の矢」を放ち、景気回復への期待感を高めると同時に、「第三の矢」で景気回復に実質的な効果をもたらし、日本経済を成長軌道に乗せようという筋書きを描いている。
 「好循環の物価上昇」によるデフレからの脱却宣言が出来るかどうかが、アベノミクスの戦略の成否のみならず、来年4月からの消費税引き上げ実施や日本経済再生の行方を占う大きな試金石となる。

【北山 譲】


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