2013年9月28日、北九州市商工貿易会館多目的ホールにおいて、非行少年の就労先拡充を目指すシンポジウムが開催される。主催は非行少年更生支援ネットワーク。
<就労支援が社会を元気に!>
非行少年の立ち直りは、少年自身はもちろんのこと、地域社会にとっても重要な課題といえる。更生を望む非行少年が就職難から経済的困窮に陥り、再び道を違えるようなことがあれば、それは地域社会に不安をもたらすばかりでなく、貴重な資源でもある若者の能力を浪費することにほかならない。それゆえ、彼らに経済的自立の糸口を与え、規則正しい生活のなかで社会の構成員として育ってもらう仕組みづくりが急務となっている。
本シンポジウムは、少年の受け入れを担う企業関係者に向けたもの。就労支援で全国的にも有名な野口義弘氏(福岡県連合雇用主会会長、(有)野口石油代表取締役)の基調講演に加え、小倉北区で障害者支援に取り組んできた宮川幸夫氏((有)義農の会代表取締役)らをパネリストに迎え、就労支援への理解を訴える。
<地元の企業経営者が積極的に参画>
これまで度々取り上げてきた就労支援の取り組みだが、今回は、地元の企業経営者が積極的に関わっている点が特徴的といえる。共催に名を連ねるNPO法人プレミア会(髙崎政弘会長)は、八幡西区を中心に活動する異業種交流会で、会員数は約100名。八幡・黒崎で15年以上続く月々の定例会には、地元の企業経営者を中心とした80名前後が出席し、様々な出会いと知見を広げる交流の場となっている。
そのプレミア会において、知名健太郎定信弁護士(七燈法律事務所)や本田健弁護士(小倉駅前法律事務所)、北崎秀男氏(福岡県就労支援事業者機構常務理事)らが協力を求めたことが、今回のシンポジウムのきっかけになった。プレミア会の事務局長を務める森賢太郎氏は、「プレミア会は、北九州の活性化のために知恵を出し合う場でもあります。野口社長のお話を聞き、私たち、地元の経営者こそが、まちのため、少年のために就労支援に取り組まなければいけないと気付かされました。皆さんにもお話を伝える場を設けたくて、今回の運びとなったのです」と語る。会有志による寄付に加え、シンポジウムのパンフレットなども会員企業がボランティアで作成・提供した。
就労支援の取り組みは、事の性質上、行政や公的団体が主導的な役割を担ってきた。今回のように地元企業の経営者サイドから協力の声が挙がるケースは珍しい。当のプレミア会は、会員数の増加から小倉でも別組織を立ち上げるとのこと。自主自立を標榜する高い意識を持った経営者の輪が北九州全域に広がることを期待するとともに、地域と共に歩む就労支援の枠組みが、この地に根付くことを願ってやまない。
なお、シンポジウムの詳細は以下の通り。
■地域で育てよう少年たちの未来
<日 時>
9月28日(土)午後1時30分(午後1時開場)~午後4時30分
<場 所>
北九州市立商工貿易会館多目的ホール
(北九州市小倉北区古船場町1-35、TEL:093-541-2184)
<主 催>
非行少年更生支援ネットワーク
<共 催>
福岡県就労支援事業者機構、福岡県弁護士会北九州部会、北九州市、NPO法人プレミア会ほか
<お問い合せ>
小倉駅前法律事務所
TEL:093-383-8278
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