先月7日、アシアナ航空の旅客機がアメリカで着陸に失敗し炎上した事故の際、ニュース速報を伝えた韓国のテレビ局アナウンサーが「死亡した2名は中国人で、我々にとっては幸いだった」と発言し、インターネット上で大炎上が起きた。
事故は、アメリカのサンフランシスコ国際空港に着陸しようとしていたボーイング機が滑走路に激突し炎上、後方の座席に座っていた中国人の女子高校生2名が死亡したものだ。この事故を速報という形で報じた韓国の総合報道チャンネル「チャンネルA」のニュースキャスターが、あろうことか「死亡したのは中国人で、私たちにとっては幸いだった」と発言した。
この発言はあっという間にインターネット上に広がった。特に、人命軽視された側の中国人ネットユーザーは「人間じゃない!」「アナウンサーをクビにしろ!」などと大炎上となった。この騒動を受け、当該番組は謝罪に追い込まれた。謝罪の内容は「速報ニュースで混乱していたこともあり、韓国人に死者がいなかったことを強調する表現になってしまった」と釈明している。
この騒動は、特に中国のメディアによって大きく取り上げられる形となった。政府の機関紙人民日報の国際版「環球網」などは、韓国人キャスターの発言部分だけを大きく切り取り、中国人の怒りを誘う報道を行ない、SNSなどを通じて、中国全土に広がっていった。
未来ある若い少女の死について、「幸い」と発言することは不謹慎極まりないが、一部分だけを切り取り、内容をことさら大きくしようとする風潮はどの国のマスコミでも共通点とも言える。SNSなどの普及で、情報伝達スピードは恐ろしく速い。日本でもここ最近、若者の愚業がネット上にさらされて問題となっているが、不適切な発言や情報発信は命取りになりかねないのである。
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