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福岡空港 喫緊の過密化対策、滑走路増設に最低10年
行政
2013年8月27日 14:43

 福岡空港は、街の中心部に近い便利な空港だが、航空機の離発着回数が限界に近いほど多くなっていて、過密化対策が喫緊の課題となっている。現滑走路の西側に2,500mの滑走路を増設する方向で環境アセスメントが実施されており、26日に開かれた福岡県議会空港対策調査特別委員会では、現状と今後の予定などが説明され、質疑が行なわれた。

<福岡空港の過密化対策>
kukou.jpg 福岡空港の2012年の発着回数は、混雑や遅延などがなく、年間を通じて安定した運航が可能となる「滑走路処理容量」14.5万回を初めて超え、早急に過密化対策が必要な状態にある。10年に、新空港建設ではなく、現空港の滑走路を増設するとの方針が立てられ、12年度から滑走路増設の環境アセスメント手続が行なわれているが、環境アセスメントには3年半くらいかかる見込み。このほか、用地買収、埋蔵文化財調査なども必要。工事自体は、夜間を中心に行ない、約7年かかる見込み。
 着陸、離陸を分けて混雑緩和を図るため、平行誘導路の二重化も図る予定で、スペースの捻出のため、13年度には第3ターミナルビル前に立体駐車場を建設する。その完成後には現在第1・第2ターミナルビル前にある駐車場をずらす。それによって空いたスペースに第1・第2ターミナルビルをずらして誘導路を拡張する。
 委員からは、「万が一のことを考えれば、安全性の基準をもっと厳しくしてもいいのではないか」との意見が出されたほか、「手直ししていつまでもつのか」との危惧も示された。

<今後の路線開設予定>
 福岡空港は、以前から過密な状態にあったが、11年から12年にかけてはLCCの新規就航などもあって発着回数が13.2万回から14.9万回に急増している。福岡空港には、現在国内線が26路線、国際線が18路線就航しているが、さらに今年10月1日からスターフライヤーの関西線が1日4往復就航する。また、リンクが来春からの松山線1日3往復、宮崎線1日5往復の認可申請を行なっている。なお、2012年の福岡空港の国際線旅客数は、過去最高の297万8千人を記録している(国内線は1,443万9千人)。
 一方、福岡空港を補完することが期待されている北九州空港には、現在国内線が1路線(東京線が1日34便、スターフライヤーが12往復、JALが5往復)、国際線が1路線(釜山線が週28便、1日2往復)、貨物線が1路線(仁川-北九州-成田線が週2便)就航。リンクが来春からの松山線1日2往復の認可申請を行なっている。また、松山線が就航し、新機材が到着した後、宮崎線の就航も予定しているという。
 県は運送費用の一部助成なども行なっており、12年の北九州空港の旅客数126万人(国内線118万5千人、国際線7万5千人)および貨物量1万3,439トン(国内線1万1,987トン、国際線1,452トン)はともに過去最高を記録。とは言え、貨物取扱量は、貨物線が就航していないにもかかわらず国内線、国際線合わせて24万1,610トンも扱っている福岡空港と比べるとまだ少ない。利用時間に制約がない24時間空港の利点を活かした貨物拠点空港としての発展が期待される。

【石坂 文】

▼関連リンク
・福岡空港民営化に疑問の声~福岡県議会 


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