先の通常国会で、滑走路事業などについても民間事業者に運営権を与えることを可能とする民活空港運営法が成立し、7月25日に施行された。同23日には太田昭宏国土交通大臣が小川洋知事に、福岡空港の民間委託について地元で検討するよう要請し、県は早期に検討組織を立ち上げ、地元の意見をとりまとめる意向を示している。26日に開かれた福岡県議会空港対策調査特別委員会でも福岡空港民営化について説明、質疑が行なわれた。
空港の民営化については、新たな成長戦略である「日本再興戦略」(13年6月14日閣議決定)でも「公共による管理から、民間事業者による経営へと転換することにより、サービスの向上や公共施設を活用した新しい価値を生み出す経営手法である公共施設等運営権制度の導入を推進する。具体的には、空港においては対象を仙台空港など国管理空港等に拡大することについて、早期かつ着実な実施を目指す」とされていた。
民活空港運営法の成立、国交大臣からの要請を受けて県は、早期に検討組織をつくり、地元の意見をとりまとめたいとしている。委員会で県は、検討組織には、地域計画や地域経済に詳しい有識者、PFIや福岡空港の整備計画に詳しい学識経験者、経済団体や交通等関係者、県、福岡市からの委員を入れたいとの考えを示した。
しかし委員からは、「新聞報道で初めて知った。一方的に発表し、後に委員会などで報告する例があまりに多い」、「空港管理をどうするかだけではなく、空港を使って福岡をどう繁栄させるかを考える必要がある」、「現空港のまま、借地料・環境対策費合わせて約100億円を20~30年も払っていってよいのか、もう1度滑走路増設案でよいかどうか考える必要がある」、「民間に委託してしまえば、30年程度手を出せない。議員の意見をしっかり聞いてほしい」などと厳しい意見が次々と出された。
また、福岡空港を民間委託する場合の最大のネックと言われている年間約83億円の借地料に関し、民活空港運営法案の国会審議のなかで「土地借料について、一義的には国が引き続き負担をする」との答弁もあったことから、この点をしっかり確認してほしいとの要望も出された。
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