2012年度で創立80周年を迎えた大牟田商工会議所。民間企業の力をどう活かし、これからの大牟田市をつくり上げようとしているのか――。専務理事の服部和典氏に、現在の課題と今後の方針について、歴史を交えながら話をきいた。
<かつての人材・技術のポテンシャル活かす>
――今後、大牟田市の民間活力をどう高めていこうと考えられていますか。
服部和典氏 最近の日本における産業において、中小企業が99%だと言われています。大企業は中小企業の下支えの上に成り立っているのです。商工会議所としては、中小企業の経営支援に取り組み、大牟田の地域経済を底支えするというのが大きな使命だと考えております。
エネルギー革命のなかで、大牟田市の人口が21万人から12万人に減ってしまったのは、雇用の喪失が最大の原因だと思います。そのため、まずは雇用の維持を確保していかなければなりません。
一方で、ここ15年間くらい、各自治体が企業誘致という名目で補助金をどんどん出していましたが、残念ながら今は大手企業が国外に出ていっており、国内自体で産業の空洞化が進んでおり、企業誘致も限界がきています。もともと大牟田市には、かつて人材も技術も持っていたポテンシャルがあるわけですから、それをイノベーションするなかで中小企業を発展させていかなければならないと思っています。
今はアベノミクスというかたちで、ものづくり大国日本をもう一度見直す方針が出されています。まだ骨格の段階ですが、そうした流れも捉えていく必要があるでしょう。産業再生による雇用の増加で、安心して生活できる環境をつくっていきたいですね。
大牟田市が、かつて産業都市として栄えていた時代に再生できる時期にきたのかなと思います。
ところで、これは主に大企業の話ですが、各地方に転勤する場合、大牟田支店への異動に真っ先に手が挙がるそうです。大きな災害がなく気候が比較的温暖であること、海も山もあり自然に恵まれていること、そして物価が安いこと、総じて住みやすいというのが理由だそうです。家族の人も含めて住みやすい街にするには、にぎわいの顔が必要です。
かつて大牟田市には「大牟田松屋」という老舗の百貨店がありましたが、経営がうまくいかず2002年から法的手続きのもと再建していました。そのとき、何とか残そうと市民に呼びかけたところ、1億数千万円があっという間に集まりました。市民のふるさとへの想いが、そういう部分にも残っていたわけです。その意味では、旧市街に潜在する文化の発信もこれから大事になってくるでしょう。
※記事へのご意見はこちら