NET-IBの取材で、インターネット上の誹謗・中傷を削除するサービスを提供するといった『怪文書』が不特定多数にＦＡＸ送信されていることがわかった。すでに、迷惑電話に関する無料の情報サイトでは、同様の内容と思われる文書を受け取ったという書き込みが見られており、文書送信の目的を怪しむ声が広がっている。記載されている問い合せ先を取材した。

　送信されている文書は、「YahooやGoogleで検索した際に上部に表示される「ブラック」「2ch」などのネガティブワードの削除（関連ワード削除）」「２ちゃんねる等のネガティブサイト、口コミおよびブログなどの削除および非表示化」「ネガティブ情報を発信した犯人の特定」「ポジティブな口コミの投稿など情報発信によるブランディング向上（SMOコンサルティング）」といったサービスを提供するといった内容だ。

　文書は、「先日はご連絡させていただきましてありがとうございました」との一文で始まっている。送り主は「CNN 町田祥」となっているが、同氏から連絡を受けた覚えのない企業でＦＡＸを受け取ったというケースが確認された。前出の情報サイトによると、送り主名は、このほかにもあるという。ひと際目立つのは、右上部分に大きく「重要」と書かれ、その下に「代表にお渡し下さい!!」とある手書きの文字。同文書の問い合せ先は、東京局番の電話番号のみで、ホームページやメールのアドレスも記載されていない。

　実際に同文書にある問い合せ先の電話番号にかけてみたところ、応対した女性は、「CNN」について、「インターネットのコンサルティングをしている会社」と説明。しかし、同社のホームページはなく、担当者不在で文書の内容について説明ができないという。担当者の名前を確認したところ、FAX文書に記載されていた「町田祥」とは異なる人物名。また、その帰社時間は未定と言い、電話で折り返すとして連絡先を聞き返してきた。

　念のため、消費者生活センターや福岡経済産業局中書企業課に確認したところ、同様の手口から始まる詐欺などの被害届はまだ出ていないという。ネット上の誹謗・中傷対策を行なっているＩＴ企業は実在するが、ネット上で一切の情報が公開されていないケースは珍しく、ＦＡＸ送信に至る経緯も不可解なことから、注意が必要と思われる。

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