<黙っていたら核のゴミ捨て場>
放射性廃棄物の最終処分場の候補地となっている鹿児島県南大隅町で8月31日、山本太郎参議院議員が講演を行なった。2月に行なわれた同町長選では、現職・森田俊彦町長の対抗馬として最終処分場誘致に反対の立場で立候補した肥後隆志氏の応援に駆け付けた山本議員。7月の参院選に初当選後、初の南大隅町への訪問となる。冒頭、「ラフな格好ですが、国会議員になりました」と笑顔で報告した山本議員。最終処分場選定の動向は、今後の生活に大きく関わるとあって関心が高く、会場の町役場ホールは約400人で満杯となり、立ち見も出た。
山本議員は、3月にドイツを視察した時の画像などをスライドで示しながら、同国で核燃料廃棄物の最終処分場の候補地に挙がっているドイツ北部のゴアレーベンでの市民運動の例を紹介した。日本では南大隅町が、ゴアレーベンと同じような状況に立たされている。「ドイツでは、岩塩の地層のなかに埋めようという話になっている。ゴアレーベンでは、市民が立ち上がり、激しい抗議運動を展開し、選定のやり直しになった。南大隅町でも黙っていたら核のゴミ捨て場にされてしまう。市民の本気を見せ、町長ら政治家に気付かせるべき」と、山本議員は熱く訴えた。
<反対する町民へ継続的支援>
人口約8,000人の南大隅町で、森田町長らが水面下で進めている誘致への動きと、それに反対する町民がぶつかり合うことになる。「立ち上がって本気度を見せるしかない。都会で反対運動をするのとは違い、狭い町内で反対運動をすると、嫌がらせでつらい思いを味わうこともある。それでも、態度をはっきりさせることは大事。賛成だという人も、反対だという人も、表に出て、同じ場に立って話し合うべき。町会議員のなかには、誘致に反対だという人もいる。表に出て議論をしようと、言いやすい空気を作ることが大事」と、山本議員。最終処分場誘致への賛成派も反対派も、不透明なままにするのではなく、徹底して表で議論をするよう勧めた。
山本議員は、「立ち上がってNOを言わなければ、水面下で決まってしまう。日本の原風景のような自然豊かな南大隅町に持ってくるのか。僕も、足を運んでがんばります」と、今後も反対する町民たちを支援し続けることを約束。講演終了後も、森田町長が書いた核関連施設の委任状に関する話などで町民の議論で会場は熱気に包まれていた。
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