<中央区と博多区に特化>
(株)えんの勢いが止まらない。2003年から2012年まで投資型部門の販売実績で10年連続福岡県内No.1をキープしている(全国では2012年5位)。
基本的に同社は単身独身者住まいの投資マンションを13年間供給してきた。購入対象のオーナーは、30代、40代初めのサラリーマンである。同社の謳い文句は「低金利、年金不安、株価変動――マネープランを取り巻く経済環境は、今後も不透明、楽観できません。そこで、リスクを回避しながら安定した資産形成を図る手段としてお奨めが、【投資マンション】です」である。
同社によると「ネットでの利回りは4%台で推移している」そうだ。さらに同社は「弊社は不動産商品を売っているつもりはありません。金融商品の売買と位置付けています。だからこそ営業社員は宅建主任よりもファイナンシャルプランナーの資格を取ることを推奨しています」と強調する。不動産商品でなく金融商品と銘打つ以上、オーナーに支障が生じれば即刻、転売できることが求められる。だからこそ同社のマンション立地場所は中央区と博多区の中心部に限定している。換金化できる価値を最優先しているからである。同社の戦略には全くブレがないのが特徴だ。
<6,000戸から1万戸へ挑戦>
現在、70棟6,000戸の供給実績がある。2016年には8,000戸、2020年には1万戸を展望している。1年で5棟500戸の供給販売は容易に達成できる水準だ。だから慌てず無理せずに事業計画が構築される。そしてスムーズに達成できる。現在、6,000戸の管理ビジネスは年間22億円前後である。全体の売上が90億円であるから25%内外というところか。上記の通りに8,000戸、1万戸と管理物件を増やすとなると、管理関連収入は29億円、36億円と増える見通しが立つ。手堅い予測が立つ。
福岡のゼネコン業界で断トツの経営基盤を有しているのが、上村建設である(福岡市博多区)。度々、記述してきたが、一般的な建設業者は「仕事を頂いてありがとうございます」であった。まさに請負意識に凝り固まったビジネスを展開してきた。それで食べられてきたのである。請負業者が繁盛していたときから上村建設は「仕事を頂き引き渡すことを最終ゴールにせずに管理物件を確保することを最終目標にする」ストックビジネスを模索していたのである。この先駆性が今日の上村建設を築いたといえる。子会社のハッピーハウスが現在、2万7,000戸の管理物件を掌握している。
えんの場合も同様のことが言える。ストックビジネスの重要性を読んだ先進的な経営思考が同業者の追随を許さないのである。不動産業界の慣例では「一戸売って幾らの儲けになる」という意識が染みついている。マンション業者経営者たちも「物件を売ってハイ終わり。次の仕込みをしよう」という行動パターンに終始してきた。ところが同社の場合にはその遠い先の構想を描いていた。「売ってしまうだけではもったいない。この努力の成果を長期に渡ってビジネスできないか」と自問自答してきた結果、管理ビジネス=ストックビジネスに辿りついた。「管理物件が8,000戸を超えるようになれば投資マンションの売買では儲けはゼロでよい。管理戸数を増やせばよい」という段階に突入する。そうなると同業者は価格面で太刀打ちできなくなるよ!!
<COMPANY INFORMATION>
代表:原田 透
所在地:福岡市中央区大名2丁目8番22号天神偕成ビル6階
設 立:1989年11月
資本金:1億円
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