「理念浸透感動塾」主宰の松原照明氏（シーエススチール（株）代表取締役）が、８月23日、「浸透する経営理念～理念成文化３次元（ASSY）プログラム」を上梓した。NET-IBでは、発行を記念し、読者プレゼントを実施する。抽選で10名まで。

＜観念的な経営理念を理論的に構築する法＞
　「理念成文化３次元プログラム」とは、松原氏が自身の経験から導き出した「浸透する経営理念」の作成理論である。Ｘ、Ｙ、Ｚ軸で構成され、各軸をしっかりと作っていくことによって、永続性のある経営理念が作成できる仕組みになっている。同氏は、このプログラムを必要とする経営者のために「理念浸透感動塾」を立ち上げ、同志と共に理念浸透の研究を続けている。

　同書第１章の「経営理念から学んだこと」にはプログラム誕生秘話が記されている。まず「経営理念の成文化」の必要性に同氏が気づいたエピソードから始まり、茶道にみる経営の真髄、日本企業がいかに経営理念の浸透しやすい恵まれた環境にあるかという発見、国内外から支持を受けている仏教詩人の坂村真民氏から直筆で経営理念を書いてもらったことによって、理念が社内に浸透し大きな効果があったことなど、数々の興味深いエピソードがちりばめられている。

　第２章「理念成文化３次元プログラム」は、実践編である。ぜひ筆記道具を準備して、実際にプログラムに基づく経営理念づくりを試してみよう。作業を体験することによって自社を今までとは違った視点で見直すことができる。

＜理念を浸透させるのは"人"＞
　しかし、どんなに良い理念を掲げても社内に浸透しないという悩みを訴える経営者は多い。第３章「理念浸透を探求する」では、そんな悩みに応えて松原氏が2009年に、「理念浸透感動塾」を始めた経緯が書かれている。
　そのきっかけは、日創研福岡経営研究会の例会でプログラムの触りを紹介したことだった。同プログラムが、松原氏の経験から見出されたものと知った経営研究会監事の塚崎ひとみ氏（（株）ベストオフィスクリエイション代表取締役）から勉強会を開くことを勧められた。そこで研究会の企画を立て、少数精鋭の「理念浸透感動塾」を発足、仲間に支えられながら互いに学びあい、今に至るまでの軌道が綴られている。塾の目的は「浸透する理念」を作成する方法を伝え、実際に浸透させる研究を行なうこと。塾の体系も、松原氏が独自に総合的に研究して発見したものになっている。

　経営理念がなくても黒字経営を行なっている企業も少なくはない。しかしこれからの時代、芯を持たない企業は、嵐のなかに漕ぎ出でた舟のように簡単に環境に翻弄されてしまうだろう。次世代にまで伝えられる普遍性のある経営理念を社内に浸透させれば、簡単には覆らない強かな芯を社内に通すことができる。同書は、そんな経営理念を作るための実践書として役に立つ。

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