福岡市の調査報道サイト「HUNTER」が福岡市へ行なった2つの情報公開請求に対し、同市の情報公開条例で定められた期限に違反していた問題で、市側が同サイトの記者にウソの説明を行なっていた事実が明らかになった。
同請求事案を担当していた市こども未来局の保育課長はNET-IBの取材に対し、同請求に対する公開・非公開を決定する文書の決済日は9月2日と回答。しかし、同課長は、同サイトの記者に対して「2日以前に決裁は終わっていた」と説明していた。なお、その場には、同局の吉村展子局長も同席。吉村局長は条例違反であることを認めたという。
同サイトは、きょう(5日)の記事で、2つの情報公開請求に関する決裁文書を公開。それによると決済日はいずれも9月2日。保育課長が同サイトの記者に虚偽説明を行なっていたことが発覚した。決済日は、情報公開請求について同サイトの記者が市側に確認した日。同記者が情報公開請求を行なったのは8月9日と同15日であり、公開・非公開の決定通知において条例で定められた「休日を除き、公開請求があった日の翌日から起算して7日以内」という期限を超えている。本来であれば21日と26日に通告を終えていなければならなかった。
また、同サイトは、指摘を受けるまで決済が行なわれていなかったことから、「条例違反に加え『不作為』があったことは確実。さらに、組織ぐるみで、より重大な問題を隠蔽しようとした疑いもある」と指摘。2つの情報公開請求が髙島宗一郎福岡市長あてに行なわれていることから、髙島市長名による文書での回答を求めている。
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