冨安正直(44歳)・前苅田町議が代表を務める「苅田の未来をつくる会」が主催する講演会が8日、同町中央公民館で開かれた。「若さで切り拓く!地方と日本の未来」をテーマにした講演会は、10月の町長選挙を睨み、2度目の町長選に挑む冨安氏が掲げる政策などを町民に訴えるのが目的。同氏も参加する地方議員ネットワーク「龍馬プロジェクト」代表の神谷宗幣氏をはじめ、このメンバーであり全国最年少知事の鈴木英敬(39歳)・三重県知事、九州最年少市長の崎田恭平(34歳)・日南市長が登壇。約200名が聴講するなか、若い力による「苅田町のポテンシャルを活かせる町政づくり」をめぐり、議論が交わされた。
席上、基調講演に立った鈴木知事は「自治体経営は現場力だけではダメ。周りを見わたす戦略が必要」「失敗に向き合ってこそ成功がある」「熱伝導は中央から拡がる。首長の役割はその熱源だ」と訴えた。
神谷氏がコーディネートするパネルディスカッションでは、鈴木知事は「選挙前は、お前みたいな若いやつに知事が務まるのかと言われたが、知事になって2年が経った今、三重県民のなかに若さを理由に知事たり得ないという声はない」と指摘。そのうえで、「トップである首長の役割は、個人として何をするかよりも、組織づくり、仕組みづくりにある」と戦略の一端を明かした。
崎田市長は、副市長への農林水産省職員の招聘、元リクルート社員の職員採用など就任4カ月間の取り組みを紹介。「日南市は年間1%ずつ人口が減っているが、市長になって、市政が動いていることを市民の方々には感じてもらっている。今後は地元経済リーダーをはじめ、人づくりに力を入れたい」と語った。
冨安氏は、「苅田町は自動車産業により財政が豊かだが、将来にわたって継続するとは限らない。苅田町の将来のためには、空港産業など新たな産業振興が必要だ。そのためにも、職員1人ひとりがポテンシャル発揮できる町役場にしたい」と抱負を語った。
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