映画を通して台湾を感じて欲しいと企画されている「台湾映画祭」が、12日、福岡アジア美術館内の「あじびホール」で開催した。
12日の開幕セレモニーでは、主催の毎日新聞西部本社・岩松城編集局長が「台湾は飛行機で約2時間だが、近いのは距離だけではない。2年前の大震災の際には、多大なる義援金をいただいたのみならず、数多くの台湾人が訪れ、被災者を支えてくださった。映画祭を通じて、台湾の文化・風土を知り、日台の友好に役立てて欲しい」と挨拶した。
一方、台北駐福岡経済文化弁事処の戎義俊処長は「私は小学校時代、数えきれないほどの映画を見てきた。9割以上は『チャンバラ』などの日本映画で、『将来は日本で生活したい』と夢見るようになった。映画は人々の生活を豊かにし、視野を広げる。知識も与えてくれるし、成長させてくれる。今回の6作品は台湾でヒットした作品ばかり。映画祭を機に台湾の『ファン』になっていただければ」と期待を言葉にした。
上映作は、台湾で話題を集めた6作品。『台北カフェストーリー』(2010年)、台湾バラエティ番組で人気、陳漢典さん主演の『パンのココロ』(2012年)、『ランオブクレジット』(2011年)、『台湾人生』(2008年)、『ふたつの時、ふたりの時間』(2001年)、『ビバ!監督人生!!』(2007年)。
『台北カフェストーリー』は候孝賢監督が総指揮を務め、台北のカフェを舞台に描かれるユーモアと情感溢れるストーリーだ。日本では未配給の『パンのココロ』は、小さな街のパン職人が主人公、コメディタッチの恋愛物語。『アジアで最も有名な女優』こと、林志玲が主役を務めた『ラブ・オン・クレジット』は、人生とは何か、幸せとは何かを見つめるラブストーリー。林志玲が正反対の性格を持つ双子姉妹を1人2役で演じた。2001年公開の『ふたつの時、ふたりの時間』は、台北とパリの2都市を舞台にした物語。幻想的な演出の中に、男女の愛情や孤独が鋭く描かれ、深く考えさせられる作品に仕上がっている。『ビバ!監督人生!!』は、台湾で俳優、演出家として活躍する鈕承澤が監督、主演を務める作品。スピード感溢れる展開に、視聴者の笑いを誘うシーンも盛り込み、台湾では2008年上半期台湾映画興行収入でトップを記録した。日本統治下にあった時代の台湾を描いた『台湾人生』、監督は日本人の酒井充子さん。日本統治時代に青春期を送った5人の台湾人の人生をドキュメンタリータッチで描いた。
今年で4回目を迎える本映画祭は、17日(火)まで開催される。
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