山口銀行（本店：山口県下関市）は８月８日、別紙の通り「不正事件の発生について」と題してニュースリリースした。
　それによると、新下関駅前支店に勤務していた個人営業担当の男子行員（31）が、2009年12月から今年４月頃までの過去３年余りにわたり顧客の口座から計1,350万円を着服。同行によると、本件不正事件は顧客からの通報で発覚したものではなく、「行内調査により判明しましたものです」としている。
　同行は、「お客様からの着服金につきましては、本件発覚後既に元行員より全額弁済されております」とし、また「当該元行員につきましては、既に懲戒解雇処分を行っております。本件につきましては、監督官庁への届出を行うとともに、警察に通報を行っております」と公表。「本件発覚後既に元行員より全額弁済」となっているが、実際は両親が弁済したらしい。

　最近銀行員による不祥事件が多発している。
★今年４月19日、福岡銀行（本店：福岡市）は、「中間支店（福岡県中間市）の男性行員が2011年２月～12年10月、訪問集金先から預かった現金の一部を抜き取り、計163万円を着服していた」と発表。同日付でその行員を懲戒解雇し、業務上横領罪で刑事告訴している。
★７月26日、西日本シティ銀（本店：福岡市）は、直方支店に勤務していた個人営業担当の女性行員（39）が、過去18年間にわたり顧客の口座から計１億4,200万円を着服したと発表。
　日記帳を点検していた支店長が、顧客から行員名義の口座に数百万円が振り込まれているのを発見。調査をした結果、女子行員は1995年４月～2013年６月、親戚や知人計18人の口座から114回にわたり現金を引き出し着服。
　いずれも被害者の届け印が押された払戻請求書を使うなどしていた。同行は関係機関への対応については「すでに警察に通報するとともに、当行は刑事告訴に向けた準備を進めております。また、法令に基づく監督官庁への届出も行っております」としている。

　銀行員による不祥事件は、福岡銀行、西日本シティ銀だけではなく、今回はライバルの山口銀行にも飛び火した格好。
　ある金融通によると、「山口銀行の場合は、起こるべくして起こった」という。その理由を問うと、「山口銀行は北九州銀行を２年前に設立しており、福岡銀行や西日本シティ銀行に対抗するため、優秀な行員を北九州銀行に配置。その結果、『山口県内に残っているのは若手の行員かまたは使いものにならない行員ばかり』だと言う。
　山口銀行は北九州銀行を設立したために人材不足に見舞われ、その付けが回って来たと言えそうだ。

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